情報化社会と情報倫理

共通 - 全学共通

GSD20010

コース情報

担当教員: 前野 譲二

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 金5

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: なし

他学部履修:

評価方法

リアクションペーパー

40%

レポート

60%

詳細情報

概要

情報化社会などとわざわざ言及するまでもなく,我々が暮らす社会は,既に情報化されてしまっているといえるでしょう。 例えば,市民に固有の番号を振る制度は色々検討されてきました。現在はマイナンバーとなっていますが,以前検討されていた時には国民総背番号制などと呼ばれていたのですが,この制度について「私は番号になりたくない」と,ある政治家が言ったことがありました。これは少なくともメッセージとして間違っています。役所や税務署,病院などのシステムの中で,既に個々人に何かしらの番号は割り振られており,コンピュータで処理されていて,それは不可欠な仕組みの1つなのです。 ここで考えるべきことはその先にあります。例えば,システムまたがって個人を串刺しするような統一番号を割り振ることもできます。これは一面では便利で効率的ですが,利便性だけに着目するべきではなく,リスク・危険性も考慮しなければならないでしょう。様々な条件を考慮したうえで最適な番号制度は設計できるでしょうか? 他にも「情報化社会」は,様々な新しい問題を常に提起し続けています。私達がかつては当たり前であると考えていたことが,当たり前でなくなっているのです。 「倫理」という言葉だけを聞くと,ちょっと難しそう,あるいは高尚なことに感じるかもしれませんが,この講義ではコンピューティングやインターネットの実際に即して,この情報化社会をどう生きていくべきかを考えます。 講義では私なりの考えを提示することもありますが,講義で扱うのは正解がない問題ばかりであり,学生諸君自身が,この講義をきっかけとして自分なりの答えを出していくことを期待しています。 情報化社会の現状と今後を考えることが,この授業のテーマです。講義は「速報」を目的とはしていませんが,折々の時事問題についても触れながら,情報という側面から皆さんと一緒に,社会を切り取りたいと考えています。

目標

情報化が社会に与える様々な影響について,批判的・主体的に考えられるようになる。

授業外の学習

コンピュータやネットワークに関する技術と,社会や制度について同時に取り上げます。初見では理解が難しい内容も多く含まれますので,講義の内容について予習および復習してください。 特に,興味をもつことができたトピックについて掘り下げて学習することを期待します。 また時事問題も扱いますので,日頃から情報技術に関連するニュースに目を通すようにしてください。また,教場で試験を実施しますので,十分な準備をもって臨んでください。

所要時間: 1.5

スケジュール

  1. オリエンテーションと講義の進め方 情報倫理の概念
  2. 知的財産権の基礎
  3. 著作権
  4. 情報化社会における私的複製(1)
  5. 情報化社会における私的複製(2)
  6. 情報化社会における私的複製(3)
  7. 個人情報とプライバシー
  8. 個人情報のケーススタディ
  9. 技術者の社会的責任(1)Librahack
  10. 技術者の社会的責任(2)Winny
  11. インターネットの基礎
  12. インターネットとセキュリティ
  13. インターネットのガバナンス
  14. ケーススタディとまとめ

教科書

指定しません。資料はすべてMoodleに提示します。

    参考書

    書籍情報はありません。

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