キリスト教人間学(キリスト教と音楽)【Gブロック】

共通 - 全学共通

GSCH0231

コース情報

担当教員: 森 裕子

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 水3

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

14%

リアクションペーパー

36%

レポート

30%

その他

その他とは,中間の小レポートのことで,第9回目以降に書いていただきます。 本科目は,毎回の出席および積極的な授業参加を前提とし,総合評価を基本とします。出席を毎回確認し,毎回リアクションペーパーを課します。欠席が4回を超えた場合には,原則として成績評価の対象になりません。なお,リアクションペーパーを書く時間を授業内に設けられる場合と,宿題になる場合があります。

20%

詳細情報

概要

本科目は,上智大学の教育の精神「他者のために,他者とともに」For Others, With Othersに基づくユニバーシティ・アイデンティティをになうコア科目「キリスト教人間学」科目群に属する選択必修科目です。 この授業は毎回,次のような流れで進められます。 ①ほぼ毎回,Moodleにアップロードされる読書課題を前もって読む。 ②講義(音楽鑑賞を含む) ③講義の中で,小グループでのディスカッションの時間を持つこともある。 ④最後に個人的な考察を行い,リアクションペーパーを書く。 内容としては,三つの要素が同時進行で展開します。 ①キリスト教儀式の一つであるミサの流れをたどることによって,キリスト教の真髄にある思想を学ぶこと。 ②ミサの中で歌われる歌を,音楽史的に辿りながら,キリスト教の中で大事にされてきた音楽文化を味わうこと。 ③ミサの中で凝縮して体験される,人間としての生きる姿勢について,聖書や課題図書,さらには音楽作品を参考にしながら一つ一つ考察すること。テーマとなるのは,たとえば,私たちが人生のさまざまな局面で求められる選びと決断,自己のアイデンティティ,コミュニケーションとことば,自由と責任,弱さと強さ,成熟と未熟,自立と相互依存,共同体,歴史観,人間と人間社会や歴史を超えるものとのかかわりなどです。

目標

この授業は,最終的には,人生において選び,決断することの重要性を理解し,決断するという行為の基にある,真の自由についての,受講者一人ひとりの独自な考察を深めることを目指しています。毎回の授業でリアクションペーパーを書き,中間時点で小レポートを作成し,また最後にこの問題をめぐっての自分の考察を小論文の形にまとめます。

授業外の学習

①毎回ムードルに掲示される読書課題を読んで,内容を理解しておくことが,授業の前提となります。 ②毎回の授業の後には,その授業で扱ったテーマについて自分なりの考察を深め,考察したことについてリアクションペーパーを書いてもらいます。 ③中間時点で小レポートを書いてもらいます。

所要時間: 予習70分,復習120分

スケジュール

  1. 導入:キリスト教ヒューマニズム 音楽体験と宗教体験の間に類似性はあるか。 ミサについて
  2. 誰かの前に自分の身を置くことは,どれほどの重みを持つ行為なのか。 ミサの入祭の歌(グレゴリオ聖歌)
  3. 他者のこころに耳を傾けるとは。 ミサ曲(あわれみの賛歌 キリエ)(多声音楽)
  4. ホスピタリティーを持って他者に向き合い,他者から影響を受け,同時に自己自身であり続けることは可能なのか。 ミサ曲(栄光の賛歌 グロリア)(バロック)
  5. コミュニケーションにおいてことばはどのような位置づけにあるか。 詩編の音楽
  6. イエス・キリストとことば 種々の国のアレルヤ唱
  7. イエスとイエスの弟子たちの生き方から,人間の成熟と未熟について考察する。 バッハ作曲マタイ受難曲から
  8. 何かをあえて選び,決断することは,何故,大切なのか。自由とは何か。 オペラ『後宮からの逃走』とモーツァルトの選び①
  9. 選びのためにどのような識別のプロセスを通るのか。責任とは何か。 オペラ『後宮からの逃走』とモーツァルトの選び②
  10. 何かを選び,別のものを選ばないということが,何故可能なのか。信じるとはどのような人間的姿勢なのか。 ミサ曲(信仰宣言 クレド)(モーツァルト)
  11. 自分の弱さを引き受けることにどのような意義があるか。 フォーレ『レクイエム』
  12. 他者との関わりにおいて,自分の理解を超えることにどう対処することができるか。 ミサ曲(平和の賛歌 アニュス・デイ)(ベードーヴェン)
  13. 共同体を作り,人類共同体の歴史に参与していくとはどのようなことか。 テゼ共同体の聖歌
  14. キリスト教ヒューマニズムが,人生における重大な選びと決断に,どのような意味を持つのか。

教科書

毎回,授業前に読むべき読書課題(PDF)をMoodleにアップロードします。また授業のためには毎回プリントを配布します。

    参考書

    • 「聴く」ことの力

      著者: 鷲田清一

      出版社: TBSブリタニカ,1999年

    • わかりやすいはわかりにくい?(ちくま新書 832)

      著者: 鷲田清一

      出版社: 筑摩書房,2010年

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