キリスト教人間学(新約聖書入門)【Eブロック】
共通 - 全学共通
GSCH0091
コース情報
担当教員: 久保 文彦
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 火4
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
リアクションペーパー
レポート
その他
本科目は,毎回の出席および積極的な授業参加を前提とし,総合評価を基本とする。出席を毎回確認し,欠席が4回を超えた場合には,原則として成績評価の対象としない。
詳細情報
概要
本科目は,上智大学の教育の精神「他者のために,他者とともに」For Others, With Othersに基づくユニバーシティ・アイデンティティをになうコア科目「キリスト教人間学」科目群に属する選択必修科目です。 『聖書』は古代のキリスト教会が編集した書物ですが,キリスト教の信徒の専有物ではありません。たとえばギリシャ悲劇やプラトンの対話篇と同様に,『聖書』を全人類にとっての古典文学書として読むなら,そこには人間の生き方・社会のあり方に対する,様々な根元的な問いかけが含まれていることが分かります。 『聖書』の基本となる六十六文書のうち,元来はギリシャ語で書かれた二十七の文書群を「新約聖書」と呼びます。紀元後一世紀初頭のパレスチナ・ユダヤ教社会で「神の国運動」を実践した結果,ローマの国賊として処刑されたユダヤ人イエスの活動記録(福音書)と,イエスの心意気に感化されて彼のように生きようとした人々(初代教会)の歴史に関する文書(書簡,黙示録)が,新約聖書に収録されています。 キリスト教的な人間観・社会観の強い影響を受けたヨーロッパ・アメリカ文明を根底から理解するためには,新約聖書の学びは欠かせません。本クラスでは,イエスの運動の意義と初代教会の成立・発展を当時の社会状況を踏まえながら考察し,新約聖書の人間観・社会観について学びます。 新約聖書とつながりの深い視聴覚教材(映画,音楽など)も活用しながら,ユダヤ教・キリスト教文化の紹介も並行して行う予定です。
目標
イエスの活動の諸相,教会成立の歴史を学び,キリスト教的な人間観・社会観の基礎である新約聖書に親しむ。 大学でのレポートの書き方を学ぶ。
授業外の学習
授業中に指示した聖書箇所を読んでいただきます。 講義の内容に関するリアクションペーパーを,毎回提出していただきます。
所要時間: 予習・復習190分以上
スケジュール
- コースの説明,文献の紹介,「新約聖書」とは何か。 ★毎回, Moodle を通して,授業資料を配付します。
- 古代イスラエル史の概観とユダヤ教の形成
- 後1世紀のパレスチナ・ユダヤ教
- ナザレのイエスと神の国運動(1)
- ナザレのイエスと神の国運動(2)
- ナザレのイエスと神の国運動(3)
- ナザレのイエスと神の国運動(4)
- イエスの受難
- イエスの復活
- クリスマスの意味(1)
- クリスマスの意味(2)
- 教会の形成と発展
- パウロの生涯と宣教活動
- パウロの神学
教科書
『聖書』をすでに所有している人は,新たに購入の必要はありません。
『聖書 新共同訳 新約聖書』
出版社: 日本聖書協会,2015年
参考書
参考書は,購入の必要はありません。
『キリスト教入門』
著者: 山我哲雄
出版社: 岩波ジュニア新書,2014年
『雑学3分間ビジュアル図解 シリーズ 聖書』
著者: 山我哲雄
出版社: PHP研究所,2005年,紙版は品切,Kindle版 のみ購入可。