キリスト教人間学(環境教育)【Cブロック】

共通 - 全学共通

GSCH0021

コース情報

担当教員: 吉川 まみ

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 水4

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

20%

授業参加

10%

リアクションペーパー

20%

レポート

50%

その他

本科目は,毎回の出席および積極的な授業参加を前提とし,総合評価を基本とします。出席を毎回確認し,欠席が4回を超えた場合には,原則として成績評価の対象としません。 なお,リアクションペーパーを書く時間を授業内に設けられる場合と,宿題になる場合があります。また,リアクションペーパーの代わりに小テストを実施する場合があることをご承知おきください。

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詳細情報

概要

本科目は,上智大学の教育の精神「他者のために,他者とともに」For Others, With Othersに基づくユニバーシティ・アイデンティティをになうコア科目「キリスト教人間学」科目群に属する選択必修科目です。 この講義では,環境教育を「持続可能で包摂的な社会の担い手を育む」という広い意味で捉えます。まず,カトリック社会教説における社会的弱者優先の意図的優先の思想や,教皇フランシスコによる環境問題についての公文書『回勅 ラウダート・シ』などに示された,キリスト教が大切にする価値観を学びます。 その上で,あるべき人間,社会,地球,超越との調和を考えながら,多様な社会的弱者への配慮をふまえたエコロジカルな実践事例を考察します。 このような学びを通じて,私たち一人一人が包摂的で持続可能な社会づくりの担い手として,どのように主体的に“他者のために,他者とともに”生きていけるかを考えたいと思います。 なお,進捗状況に鑑みて,各回のテーマの順番や事例の内容などを適宜変更する場合があります。

目標

講義は,キリスト教ヒューマニズムが大切にする価値観を学び,私たちひとり一人が社会の担い手として,他者のために他者とともに主体的に社会で生きるビジョンを持つことをねらいとしています。

授業外の学習

予習:前回の授業の振り返り。 復習:授業内容を振り返り,あらためて考察する。テキストを読み進めるとともに,Moodle上で共有された参考資料などにもよく目を通すこと。 その他:開講期間中にテキスト『回勅ラウダート・シ』と『叡智を生きる』を読み終えることを目指しましょう。 また,日常生活の中で,実際にエコロジカルな配慮に心がけることを通じて,環境問題に対する本質的な気づきを得られるようにつとめましょう。

所要時間: 予復習190分

スケジュール

  1. イントロダクション (1)上智の「キリスト教人間学」 (2)なぜ,キリスト教人間学で「環境教育」なのか
  2. キリスト教ヒューマニズムと環境問題・環境教育 (1)教皇フランシスコ『回勅ラウダート・シ』 (2)「かかわりの存在」としての人間理解とインテグラル・エコロジー (3)カトリック社会教説と「社会的弱者優先」という考え方 (4)インテグラル・ディベロップメント
  3. 環境教育を考える視点・その1 (1)人類の歩みと環境 (2)人類と科学技術 (3)『レック・ディス・ジャーナル』ワークショップ
  4. 環境教育を考える視点・その2 (1)理念と実践のギャップ (2)意識啓発と私たちの生き方 (3)価値観とライフスタイル
  5. 環境問題を知るⅠ (1)日本の環境問題の歴史 (2)環境問題の原因を探る
  6. 環境問題を知るⅡ (1)気候変動と地球環境問題と環境教育 (2)構造的暴力とライフスタイルの転換と環境教育
  7. 環境教育の歩み(狭義の環境教育) (1)環境教育の始まり (2)多様な環境教育
  8. 環境教育の展開(広義の環境教育) (1)持続可能な地域・地域循環共生圏 (2)ソーシャル・インクルージョンと社会関係資本
  9. 「社会的弱者優先」とエコロジカルな実践Ⅰ 国内事例:草の根市民団体による活動 (資源循環プロジェクトによる水環境保全と知的障碍者の雇用創出)
  10. 「社会的弱者優先」とエコロジカルな実践Ⅱ 国内事例:NPO法人による活動 (生き物ブランド米による絶滅危惧種の保護)
  11. 「社会的弱者優先」とエコロジカルな実践Ⅲ 国内事例:町役場による取り組み (SDGsモデル都市 資源循環による地域おこし)
  12. 「社会的弱者優先」とエコロジカルな実践Ⅳ 海外事例:独立行政法人ジャイカ国際協力機構による活動 (エコツーリズムによる貧困削減と内発的発展)
  13. 「社会的弱者優先」とエコロジカルな実践Ⅴ 海外事例:イエズス会による活動 (持続可能な農業による貧困削減と内発的発展)
  14. まとめ~環境教育の再考~ ・価値観と環境教育 ・生きる意味と環境教育 ・自己・他者・自然・神とのかかわり ・「かかわりの存在」としての人間理解とインテグラル・エコロジー

教科書

授業ではテキストを使用しますのでご準備ください。

  • 『ライフスタイルの転換に向けて,ともなる歩みを―『回勅ラウダート・シ』と環境保護―』

    著者: 吉川まみ

    出版社: 女子パウロ会,2023

  • 『レック・ディス・ジャーナル』

    著者: ケリ・スミス著(吉濱ツトム訳)

    出版社: (株)ヴォイス・2023年

  • 回勅ラウダート・シ ともに暮らす家を大切に

    著者: 教皇フランシスコ

    出版社: カトリック中央協議会,2016

参考書

  • 『叡智を生きる(An Unending Quest)』

    著者: 上智学院イエズス会教育推進センター

    出版社: 上智大学出版,2019

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