キリスト教人間学(キリスト教と人権)【Dブロック】
共通 - 全学共通
GSCH0012
コース情報
担当教員: 久保 文彦
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 金5
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
リアクションペーパー
レポート
その他
本科目は,毎回の出席および積極的な授業参加を前提とし,総合評価を基本とする。出席を毎回確認し,欠席が4回を超えた場合には,原則として成績評価の対象としない。
詳細情報
概要
本科目は,上智大学の教育の精神「他者のために,他者とともに」For Others, With Othersに基づくユニバーシティ・アイデンティティをになうコア科目「キリスト教人間学」科目群に属する選択必修科目です。 性別・社会的地位・人種等に関わりなく,私たちが人間として生まれながらに有する諸権利を「人権」(human rights)と呼びます。「日本国憲法」や「世界人権宣言」には人権の擁護を命じた条文が記されていることは,皆さんもご存じでしょう。ひとりひとりの人間としての諸権利が損なわれない社会をつくることは,今日の私たちの政治的課題になっています。 人権という理念は,いつ頃,誰が発明したのでしょうか。日本の憲法学や政治思想史の教科書を読むと,人権思想の直接の起源は近代西欧の啓蒙思想に求められています。このことは間違いではありません。しかし,『聖書』のことばを生きようと試行錯誤を続けたキリスト教の歴史が,近代西欧における人権思想成立の基本前提となった事実については,それほど十分な注意が払われていません。人権という用語そのものは近代西欧の知識人が発明したのですが,この語の背景をなす人間観・社会像は,古代イスラエルの歴史に源を発するキリスト教の歴史を通して培われてきたのです。 本クラスでは,人権という観点から『聖書』を読み直し,キリスト教が人権回復の運動として出発したことを確認してみます。人権が充実する社会をつくるために私たちに何ができるのかを,一緒に考えてみましょう。
目標
人権の歴史を学びつつ,現代社会における人権問題への関心・理解を深める。 大学でのレポートの書き方を学ぶ。
授業外の学習
教科書の指定ページを,自宅で読んできていただきます。 人権をテーマとした「学期末レポート」の作成時に,収集した諸文献や資料のリストを作成してもらいます。
所要時間: 予習・復習190分以上
スケジュール
- コースの説明,文献の紹介,レポートの書き方 ★毎回, Moodle を通して,授業資料を配付します。
- 「人権」とは何か
- なぜ人権が大切なのか
- 人権と近代ヨーロッパ啓蒙思想
- 自由権の起源としての旧約聖書
- 人権の普遍性と同胞の精神
- 人権と国家
- 戦争と人権
- 日本国憲法9条の平和主義とキリスト教
- 人権と奴隷制
- 外国人と人権
- 安息日と人権
- 社会権と聖書
- 教育と人権
教科書
kindle 版がある場合は,そちらを購入してもかまいません。
『人権宣言集』
著者: 高木八尺ほか編
出版社: 岩波文庫,初版1957年,★現在まで再版が続いている。なるべく新しい刊行年のものを買うこと。
『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』
著者: カント(中山元・訳)
出版社: 光文社古典新訳文庫,2006年,kindle 版あり
参考書
参考書は,購入の必要はありません。
『私の個⼈主義』
著者: 夏目漱⽯
出版社: 講談社学術⽂庫,1978年。kindle 版無料。
『聖書 新共同訳』
出版社: 日本聖書協会,1987年