宗教的共生論

共通 - 全学共通

GSC30100

コース情報

担当教員: 寺尾 寿芳

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 木3

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

授業参加

10%

レポート

30%

定期試験

定期試験期間中

60%

その他

本科目は,毎回の出席および積極的な授業参加を前提とし,総合評価を基本とする。出席を毎回確認し,欠席が4回を超えた場合には,原則として成績評価の対象としない。

0%

詳細情報

概要

人間社会において安全が確保された生活を営むことは,近代的人権思想の結露として最重要課題であり,倦むことなく探究されてきた。総じて構造的暴力に対抗するかたちで,その実現は模索されてきたといえよう。宗教においてもキリスト教の教会や仏教の僧伽共同体において,人間が「共生」というかたちで生き延びる道を開削してきた。本講義では宗教ことに近現代日本の宗教思想を題材として,とくに宗教性が顕著に読み取れる自己否定性に注目する。その際,キリスト教人間学の学びも視野に入れつつ,井上洋治師の「悲愛」を中核的視座に据える。また,宗教がいわば主導権をむしろ自粛するかたちで人間全体の類的生存に寄与するといったファシリテーター的機能の可能性を論じ,宗教的共生の未来像を考察したい。 【アクティブ・ラーニングの方法】 リアクションペーパー(Moodleで提出されたものに応答する)。

目標

1)宗教の歩みを知ることで,「独りであること」を恐れず,またその状態を共生へ向けた精神の営みを活性化する機会としてとらえなおすことができる。 2)若者のストレートな正義観が排他的にならずに,貴重な自己反省を伴った共生へと向かうための契機を探ることができる。 3)先人による宗教的言動の力動性に目覚め,さらには自らの思索を通じてそのような宗教的資源を知的に活用することで,将来的にそのような諸活動と適切に協働できるような基盤を形成する。 4)中間レポートの提出等を通じて主体的なアウトプットとそれに対するレスポンスを正しく受容するための経験を積む。

授業外の学習

毎回の授業後,以下の学習(合計190分)を⾏うことが求められる。 ・配布プリントに書き込んだ⾃筆ノート・メモを利⽤し,講義の内容を確認する(40分) ・授業中に⾔及された事実やデータをインターネットの複数のサイトで確認し,発展的に補充する(30分) ・授業中に⾔及された⽂献に目を通す(120分)

所要時間: 各回およそ190分の学習が必要

スケジュール

  1. 導入:宗教と共生
  2. 「人間の安全保障」としての共生
  3. ロゴス・パトス・パトロゴス
  4. 孤立・孤独・かなしみ
  5. キリスト教と共生:慈愛
  6. 仏教と共生:慈悲
  7. 法然 :「悲愛の系譜」(1)
  8. 親鸞:「悲愛の系譜」(2)
  9. 一遍:「悲愛の系譜」(3)
  10. 内村鑑三:「悲愛の系譜」(4)
  11. 押田成人:「悲愛の系譜」(5)
  12. 石牟礼道子:「悲愛の系譜」(6)
  13. 共生の組織的展開
  14. 共生の技法としての宗教

教科書

特になし。

    参考書

    授業において適宜指示する。

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