諸宗教における自然と人間
共通 - 全学共通
GSC20030
コース情報
担当教員: 原 敬子
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 木5
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
リアクションペーパー
レポート
その他
出席を毎回確認する。欠席が4回を超えた場合には,原則として成績評価の対象としない。成績は期末レポート,リアクションペーパー,授業態度などによって総合的に評価する。 本科目の到達目標は,宗教と自然,環境の関わり理解し,授業内容や関連する先行研究に基づいて宗教や宗教性に関する議論を自身の力で組み立てることができるようになることである。本科目の課題については,一人一人の人間経験に訴える問いであるため,生成 AI を利用して作成した場合その目標は達成できない。したがって,リアクションペーパー,最終レポ ートのいずれにおいても利用は一切禁止する。 自らの経験から生み出される「言葉」を大切にしてほしい。
詳細情報
概要
本講義は,環境教育の一環として,宗教・倫理・哲学の学問分野から「自然ー生命ー人間」のかかわりについて,輪講形式で多角的に学ぶものである。 人類の歴史に深く密にかかわる宗教思想(ユダヤーキリスト教,イスラーム,インド宗教,中国思想,仏教,神道)を学ぶことがベースとなるが,特に,それぞれの宗教の根源にある「人間の内省」という点にアプローチしたいと考えている。 諸宗教の根底に流れる霊性の経験に近づくことによって,人間と人間を取り巻く世界との関係性を今も生きる我々が,いかにしてその関係の再統合に向かうことができるのかを探究していきたい。それはとりもなおさず,宗教リテラシーを培うことであるとも言える。
目標
教皇フランシスコの回勅『ラウダト・シ』には,「人間性の刷新なしに,自然とのかかわりを刷新することは不可能です。適切な人間論なしのエコロジーなどありえません」(118)と記されている。 現代社会における環境・エコロジーに関する諸問題への解決のためにあらゆる面から取り組む必要があり,実践されているが,この授業ではその解決の一つとして「人間性の刷新」という根源的な問いに基軸を置き,取り組んでいく。したがって,この授業が到達したいと考える目標は,諸宗教がこれまで取り組んできた「人間性の刷新」を,いかにして我々が「自己の刷新」として受容できるかという点にある。「人間論としてのエコロジー」というテーマに深く切り込んでいくことがこの授業の到達目標であり,受講者にはこの理解が求められる。
授業外の学習
この授業を受講する心構えとして,やはり環境問題への興味関心を持つことは求められる。時間外の予習としては,メディアで取り上げられている環境問題に関して,その根本問題を自ら考察する時間を取ること。また,授業で初めて学んだことや授業内で理解しきれなかった言葉や概念を自分で調べて復習することが望まれる。輪講形式の授業であるが,よく復習したうえで積極的に質問し,双方向的な授業となるよう受講生の主体的な心構えが求められる。
所要時間: 190分。予習90分,復習100分。
スケジュール
- コース概観およびオリエンテーション/原敬子(神学部神学科)
- インド宗教における自然・生命・人間①/置田清和(国際教養学部国際教養学科)
- インド宗教における自然・生命・人間②/置田清和(国際教養学部国際教養学科)
- ユダヤーキリスト教における自然・生命・人間①/久保文彦(基盤教育センター キリスト教人間学領域)
- ユダヤーキリスト教における自然・生命・人間②/久保文彦(基盤教育センター キリスト教人間学領域)
- イスラームにおける自然・生命・人間①/久志本裕子(総合グローバル学部総合グローバル学科)
- イスラームにおける自然・生命・人間②/久志本裕子(総合グローバル学部総合グローバル学科)
- 東洋思想における自然・生命・人間①/中田英之(泉州統合クリニック 医師)
- 東洋思想における自然・生命・人間②/中田英之(泉州統合クリニック 医師)
- 仏教における自然・生命・人間①/寺尾寿芳(上智大学大学院実践宗教研究科)
- 仏教における自然・生命・人間②/寺尾寿芳(上智大学大学院実践宗教研究科)
- 神道における自然・生命・人間①/菅浩二(國學院大學神道文化学部)
- 神道における自然・生命・人間②/菅浩二(國學院大學神道文化学部)
- 環境と霊性/原敬子(神学部神学科)
教科書
各教員に一任する。
参考書
書籍情報はありません。