身体知演習 ボディーワーク

共通 - 全学共通

GSB20331

コース情報

担当教員: 吉田 美和子

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 火2

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

40%

レポート

20%

その他

4回以上欠席した場合は評価の対象としない。授業内のリアクションペーパーやMoodle提出課題,および最終プレゼンテーションなどを総合評価する。

40%

詳細情報

概要

東洋の身体知(embodied wisdom)に対し,西洋の身体知ともいうべきソマティクス(Somatics:内側から経験される身体を対象とする学問領域)の臨床的実践技法であるボディワークの理論と技術(art)を,体験を通して学ぶ授業です。 本授業では,フェルデンクライス・メソッドやアレクサンダー・テクニークとともに欧米のダンス教育に広く導入されているソマティック教育の一つであり,体験的解剖学とも称されるボディマインド・センタリング(Body-Mind Centering®:BMC)を紹介します。毎回の実習では,骨格や内臓など基本的な身体構造や機能を実際に動き(movement),他者に触れ(touch),声を出し(vocalization)ながら,その身体経験や気づきを言語化(verbalization)し,対面およびMoodle上でディスカッションを通じて体験の意味を探求します。また授業内で「My Body Story」をテーマに各自の発表形式でのプレゼンテーションを行い,学びのシェアリングを実践します。(基本的な解剖学用語は日英)

目標

「いま,ここ」の自分を感じ,知ることが到達目標です。解剖生理学や運動発達学,身体心理学の原理を知識として学びながら,生きて動く自分の身体を内側から感じ,経験し統合していきます。近年,ダンス教育やメンタルヘルス領域に導入されつつあるボディワークを「動きの再教育」として,身体を基盤とした環境との関わり方(コミュニケーション)の原理として,また生涯にわたって健康を維持し豊かに自分を生きる基盤として習得することを目標としています。

授業外の学習

毎回の授業後は以下の学習(合計190 分)を行うことが求められる。 ・授業資料を利用して内容を復習し,授業内で言及された文献や参考資料を読む(30分) ・継続課題として,授業内で学んだ身体技法(practice)を日々実践するとともに,自分の身心の在り方にマインドフルに意識を向け記録する(140分) ・講義や実習に関わる事前資料を読む(20分) ※その他,授業内で学んだ「内側から体験する身体」の視点から,周囲の子どもから大人,スポーツ選手まで,多様な他者の身体を客観的な視点とともに観察すること。

所要時間: 授業1回あたり190分以上

スケジュール

  1. 身体知とソマティック教育:「身体(Body)」から「からだ(Soma)」へ 身体観の変遷と理論的背景
  2. 骨格系へのアプローチ Skeletal System:身体の構造と機能-重力との関わり 骨格系:上肢と肩帯の関係(1)肩甲骨を解放する
  3. 骨格系:上肢と肩帯の関係(2)手指から肩帯をつなげる-表現するUpper Body
  4. 骨格系:下肢と骨盤の関係(1)骨盤の力と出会う
  5. 骨格系:下肢と骨盤の関係(2)足部から大腿骨へ-大腰筋と中心感覚
  6. 骨で立つ Embodiment of Skeletal System(Zoomあるいはオンデマンド) 【ゲストスピーカー】劉 美珠(國立台東大學)
  7. 骨格系:軸骨格と肋骨−背骨に触れる
  8. 関節と靭帯:全ての関節にスペースをー関係性を取り戻す
  9. 内臓系へのアプローチ Organ System:タッチと動きの原則,内臓感覚と感情 内臓系:呼吸器系-自分の呼吸パターンに気づく
  10. 内臓系:消化器系の構造と機能-消化管のインテリジェンス/ take in or take out(Zoomあるいはオンデマンド) 【ゲストスピーカー】Bonnie Bainbridge Cohen(Body-Mind Centering🄬創設者)
  11. 内臓系:循環器系の構造と機能-心臓と血管,中心と末端が支え合う意識
  12. 内臓系:声と内臓-あなたの本当の声を聞く 内臓とともに動く Embodiment of Organ system
  13. 受講生による「My Body Story」発表① わたしの「からだ」をテーマに個人・グループで研究し,内容にふさわしい表現でプレゼンを行い,他の受講生と共有する。
  14. 受講生による「My Body Story」発表② わたしの「からだ」をテーマに個人・グループで研究し,内容にふさわしい表現でプレゼンを行い,他の受講生と共有する。

教科書

資料は,解剖図とテキストの「Sensing, Feeling and Action」(邦訳)を授業内で適宜配布する。

  • Sensing, Feeling, and Action, 3rd ed.

    著者: Cohen, Bonnie Bainbridge

    出版社: Contact Editions, 2012

参考書

  • ボディワークと身心統合

    著者: 清水諭・吉田美和子・遠藤卓郎編

    出版社: 創文企画, 2014

  • Bodystories: a guide to experiential anatomy

    著者: Olsen, Andrea in collaboration with Caryn McHose

    出版社: Station Hill Press, 1998

  • カラースケッチ解剖学 第4版

    著者: Kapit, Wynn & Elson, L. M.

    出版社: 廣川書店, 2015

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