変わりゆく世界における舞台芸術
共通 - 全学共通
GSB20010
コース情報
担当教員: 村田 真一
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 水1
形式: 同時双方向型授業(Zoomなど)
レベル: 200
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
リアクションペーパー
レポート
詳細情報
概要
演劇ほど,過去・現在・未来の人間の営みを有機的につなぐ芸術はないと言ってもよいでしょう。本講義では,古代から近世までの演劇の変遷をおさえたうえで,世界が大きな変貌を遂げた近現代において戯曲・舞台上演・演技・演出・音楽・美術・照明・俳優養成のような舞台作りの中核をなす諸要素のみならず,観客・批評・演劇哲学が果たした精神史的・文明論的役割を研究します。 具体的には,古代ギリシア・古代ローマ劇からスタートし,イタリア・ロシア・ウクライナ・日本の演劇を辿っていきますが,演劇交流という視点から地域どうしの文化的関係性を捉えるだけでなく,とくに近現代における相互の重層的で歴史的な影響関係にも目を配りましょう。また,戯曲を分析する際,受講者による朗読の時間も設けます。 毎回,リアクションペーパーのフィードバック・講義・ディスカッションを適宜組み合わせながら進めます。
目標
テクストや映像などを参照しながら,対象地域の演劇芸術の発展プロセスを近現代への影響という観点から辿り,とくに18世紀後半から20世紀までに築き上げられた演劇の持つ祝祭性や「デモーニッシュな」側面にも着目し,その特質を探ります。また,地域の演劇の特質を比較対照するのみならず,古来より,文化価値や世界創造のモデルを提供してきた人類共通の財産である演劇の芸術史的・精神史的意義を明らかにすることも目標に定めます。 より具体的には,それぞれの地域に特徴的な宗教劇,民衆劇,農奴演劇,公共演劇,国民演劇やロマン主義・自然主義・リアリズム・モダニズム・ポストモダンといった芸術思潮から見た演劇芸術の発展形態を考察の対象とします。 また,世界が新しい言語や概念,新しい価値観の創造や形式の理論構築,共通の空間を求めるようになった近現代に果たした演劇の大きな役割も考えていきましょう。
授業外の学習
【予習】100分程度。各回の講義概要に合わせて参考図書を読んだり,舞台映像・写真を鑑賞したりして,準備してください。このほか,授業で訊きたい質問も考えておくとよいでしょう。 【復習】100分程度。講義内容を受けて,さらに参考文献を読んだり,舞台映像・写真を参照してください。講義中に録ったメモを見返して,最終レポート作成の準備ができるようにしておきましょう。
所要時間: 200分
スケジュール
- イントロダクション ー 世界から演劇を見る ※授業の進捗状況により,以下のスケジュールを調整することがあります。
- 古代ギリシア
- 古代ローマ
- ルネサンスのイタリア
- コンメディア・デッラルテの光と影
- ピランデッロ劇と現代演劇
- ロシアの農奴演劇
- ゴーゴリの喜劇
- チェーホフ劇の現代性
- ロシア・モダニズム演劇(1) - シンボリズムからアヴァンギャルドへ
- ロシア・モダニズム演劇(2) - アヴァンギャルドの発展と消長
- ウクライナのモダニズム演劇
- 日本の古典芸能
- 論点の整理ー演劇から世界を見る
教科書
多岐にわたるため,授業中に指示。
参考書
授業中に適宜指示。