数学科教育法ＩＩ

概要

中学および高校数学の授業を展開するために必要な数学的知識を確実に身につける． 題材として，近年の学習指導要領改定後に大幅に強化・拡充された，確率論および統計学の基礎を取り上げる． 教材研究としての「確率・統計」の分野の内容を，まず中学・高校の復習から始め，その後，発展的内容に触れてその理解を深める．さらに，それらを大学数学の高い視点から捉えなおし，教育に活かせるような深い知識を習得することを目標とする． 以上の目標のために，初めに「確率・統計」分野に関する 中学・高校の学習指導要領について確認をした後，高校の教科書の該当する箇所を復習する．その後大学初年級レベルの微分積分程度の知識で理解できる範囲の確率論・統計学の知識について学び，その理解を深める。確率論については，本格的な理解に到達するには大学４年から大学院レベルの「測度論 (ルベーグ積分論)」の知識が必要不可欠であるため，その概要についても可能な範囲で触れることにする． 統計学に関しては，高校の教科書で扱う内容(記述統計・確率変数・確率分布関数・確率密度関数・区間推定・仮説検定など)については確実に理解しなければならない．その上で，高校の教科書を超えるレベルの発展的な内容として，大数の法則・小数の法則・中心極限定理(可能ならば，点推定やベイズ統計)についても学び，それらを教育に役立てることのできる知識を身につける． また計算機を有効に活用して，効果的な資料の作成と簡単な統計解析(データの可視化とその分析，特に回帰分析，推定と検定)が行えるような知識・技術の習得も目指す．

目標

中学および高校数学の授業を展開するために必要な数学的知識を確実に身につける． 題材として，近年の学習指導要領改定後に大幅に強化・拡充された，確率論および統計学の基礎を取り上げる． 初めに学習指導要領と高校数学の教科書で扱われる内容を確認する． そして，それらを大学数学の高い視点から捉えなおし，深い理解のもと統計学の教育を行えるようになることを目標とする． また，現在ではExcelやR，Pythonなどの統計解析に利用できるソフトウェアも容易に入手・利用できる環境にあるため，それら計算機を活用した授業展開もできるような知識・技術の習得も目指す．

授業外の学習

教材研究としての「確率・統計」の分野の内容について,中学・高校の該当する部分を復習してもらいたい．大学初年級レベルの微分積分程度の知識で理解できる範囲の確率論・統計学の知識についても，適切なテキスト・参考文献などを参照して 理解するようにしてほしい． また，計算機を活用する方法についても，ExcelやR，Pythonなどの統計解析に利用できるソフトウェアの使い方を覚えて，授業展開のための資料作成などに応用できるように，ある程度の自習時間が必要となる． 上記のような知識および資料を自作するスキルの習得は，模擬授業を行う際に必要になるので，時間外の学習は必須である． (予習・復習等，授業時間外学習の所要時間は毎週４時間程度)

所要時間: 240分