学校教育社会学
共通 - 課程
GQT10315
コース情報
担当教員: 杉村 美紀
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 月2
形式: 対面授業
レベル: 100
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
レポート
定期試験
定期試験期間中
その他
学期末試験(50%)およびリアクション・ペーパー(20%),レポート(30%)により総合的に評価する。詳細は,初回授業時に説明する。感染症や体調不良等やむを得ない事情の場合,事前・事後の届けを求める。届や正当な理由なく3回以上欠席した場合には不合格となる。
詳細情報
概要
本講義は,教育の社会学的ないし比較社会学的(比較教育学を含む)に関する理論的基礎を押さえた上で,教育に関する社会的,制度的又は経営的事項に諸事例をはじめとする具体的諸課題を取り上げて検討し,最終的には,現代社会における学校教育の社会的,制度的又は経営的事項の諸可能性へと考察を進める。具体的には,日本および海外の初等・中等教育における学校教育のあり方を中心に,講義を通じてその特徴と課題を明らかにするとともに,将来,教職を目指す者が学校現場の課題に対応するための基礎知識を提供する。
目標
本講義は,教育を社会学的ないし比較社会学的(比較教育学を含む)視点から考察し,現代社会における教育的諸課題とその背景に関する理解の深化を図りながら,教育に関する社会的,制度的又は経営的諸問題の解決に必要となる基本的知見・視点を獲得することを目指す。具体的な到達目標は以下の通りである。 1)現代社会の初等・中等教育における学校教育の課題を諸外国の制度と比較しながら把握する。 2)特に日本の教育行政の特徴と課題を把握する。 3)学校教育現場において教育実践に携わる際の基本的知見や視点を習得する。
授業外の学習
教育に関する実際の事象や問題点に日頃からよく留意し,教育学においてどのような課題として考えるかを,授業でとりあげた課題と照合し整理しておくこと。特に,日本国内における教育に関する改革や,諸外国の教育事情等にも関心をもち,教育の役割や機能について常に比較の視点をもって授業に参加することを期待する。このため,授業時間外では,現代の教育課題について具体的な事象や情報を収集し,毎回の授業で紹介される内容との関連性を比較検討することを求める。また回によっては授業前に課題文献あるいは資料を読み,講義での内容と照らして考察することを行う。学期途中には中間レポートにまとめる。また,学期末には筆記試験を行う。
所要時間: 190分
スケジュール
- オリエンテーション (授業の進め方,ならびに学校教育社会学の意義と課題)
- 教育の社会学的ないし比較社会学(比較教育学)的基礎 その1(教育の社会的機能などの諸点から) 「教育」の意味とその課題,教育の多義性
- 教育の社会学的ないし比較社会学(比較教育学)的基礎 その2(家庭・地域社会などの諸点から) 学校と社会,家庭との連携,コミュニティにおける教育
- 教育の社会学的ないし比較社会学(比較教育学)的基礎 その3(公共性,教育行政などの諸点から) 諸外国と日本の教育制度の比較
- 現代の学校教育における制度的又は経営的事項 その1(国家・国民などの諸点から) 公教育の特徴と国家における国民形成・国民統合と教育の役割
- 現代の学校教育における制度的又は経営的事項 その2(教育法規などの諸点から) 教育行政の機能と役割,教育委員会制度の特徴
- 現代の学校教育における制度的又は経営的事項 その3(学校運営などの諸点から) 「開かれた学校」を実現するための学校運営,地域との繋がり
- 現代の学校教育における制度的又は経営的事項 その4(学級運営などの諸点から) 教師と学級運営,教師の専門職性
- 現代の学校教育における制度的又は経営的事項 その5(いじめ・体罰・懲戒などの諸点などの諸点から) 現代社会における「子どもの貧困」の問題,家庭教育との連携
- 21世紀における教育課題の社会学的ないし比較社会学的諸相 その1(階級・人種・ジェンダーどの諸点から) 日本における「外国につながる子どもたち」の教育問題
- 21世紀における教育課題の社会学的ないし比較社会学的諸相 その2(情報化などの諸点から) 情報化がもたらす教育のあり方の変容と課題
- 21世紀における教育課題の社会学的ないし比較社会学的諸相 その3(国際化・グローバル化などの諸点から) 多様化・多文化化する日本の学校教育
- 21世紀における教育課題の社会学的ないし比較社会学的諸相 その4(持続可能性などの諸点から) グローバル化時代の教育,学力・コンピテンシー・エージェンシーをめぐる動向
- 21世紀における教育課題の社会学的ないし比較社会学的諸相 その5(平和・共生文化などの諸点から) 国際教育開発と多文化共生
教科書
テキストは特に定めないが,参考文献等を適宜授業時に紹介する。
参考書
教育原理
著者: 木村元・汐見稔幸編著
出版社: ミネルヴァ書房,2020年
世界の学校 グローバル化する教育と学校生活のリアル
著者: 二宮晧編著
出版社: 学事出版,2023年
現代社会と教育
著者: 酒井朗編
出版社: ミネルヴァ書房,2021年