博物館資料保存論
共通 - 課程
GQC12000
コース情報
担当教員: 李 壃
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 火5
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
定期試験
定期試験期間中
その他
成績は,毎回実施する予定のリアクションペーパー(50%),論述式筆記試験(50%)の合計(100%)で評価し,60%以上を合格とする。 1) 期末試験にノート,テキスト,参考書,iPadなどの持ち込みは不可とする。 2) 資格課程の授業であるため4回以上の⽋席は認めない。学則に定められている事由以外の追再試験は⾏わない。
詳細情報
概要
地域の価値ある歴史的,学術的及び芸術的な資源を収集し,展⽰することだけではなく,保存管理していくことも博物館学芸員の基本的な使命である。これは,資料が持つ情報を現代社会はもとより将来における活⽤を⽬的とする。本授業では,①博物館において⽂化財保存を成⽴させる倫理的な考え⽅(規範)について紹介し,②⽂化財に内在する情報を抽出するための⾃然科学的な⽅法(診断)について紹介する。そして,③⽂化財の保存修理やその後の環境管理対策の⼀連の過程(治療とケア)について理論と実際に⾏われている事例を通して理解を深める。
目標
1.博物館資料の保存に関する基礎的な知識の習得 2.博物館における資料保存の課題への意識と⾒極める能⼒の育成
授業外の学習
1.配布資料をもとに「授業ノート」を作成・整理し,復習しておくことが望ましい。(所要時間は,毎回2時間程度,合わせて30時間程度) 2.予習として博物館における資料保存を取り巻く様々な問題について調べ,講義内 容の理解を深め,考察⼒を養う。論⽂や報告書などを公開している諸機関のサイトの例を下記に⽰す。(所要時間は,毎回2時間程度,合わせて30時間程度) ①MUSEUM(東京国⽴博物館研究誌) https://www.tnm.jp/modules/r_db/index.phpcontroller=dtl&t=publication_museum ②保存修復科学センター『保存科学』 - 東京⽂化財研究所 https://www.tobunken.go.jp/~ccr/pub/cosery_s/consery_s.html ③Journal of Conservation and Museum Studies https://www.jcms-journal.com/ ④New Conservation Resources in Open Access | ICCROM https://www.icom-cc-publications-online.org/ ⑤The Canadian Conservation Institute (CCI) https://www.canada.ca/en/conservation-institute/services/conservation- preservation-publications/canadian-conservation-institute-notes.html
所要時間: 4時間
スケジュール
- イントロダクション,⽂化財保存の理念 ※以下は予定であり,授業の進捗状況により各テーマの回数や順番は変更することがある。
- ⽂化財保存修復における真正性問題
- ⽂化財保存修復の原則
- 博物館資料の⾃然科学的調査① (光学的調査)
- 博物館資料の⾃然科学的調査② (分析化学的調査)
- 博物館資料の⾃然科学的調査③ (分析化学的調査)
- 博物館資料の劣化と保存対策① (⾦属)
- 博物館資料の劣化と保存対策② (⽊材)
- 博物館資料の劣化と保存対策③ (紙資料)
- 博物館資料の劣化と保存対策④ (絵画)
- 博物館における保存環境管理① (温湿度)
- 博物館における保存環境管理② (⽣物)
- 博物館における保存環境管理③ (IPM: 総合的有害⽣物管理)
- 博物館における保存環境管理④ (空気汚染, 光)
- テスト,まとめ
教科書
適宜,必要な資料を配布,またはMoodleへアップロードする (各⾃でダウンロードする)。
参考書
⽂化財保存環境学 第2版
著者: 三浦定俊/佐野千絵/⽊川りか
出版社: 朝倉書店 (2016)
⽂化財のための保存科学⼊⾨
著者: 京都造形芸術⼤学編
出版社: ⾓川書店 (2002)
博物館資料保存論
著者: 本⽥ 光⼦/森⽥ 稔
出版社: 放送⼤学教育振興会 (2012)