中東欧地域研究入門
外国語学部
FRS68800
コース情報
担当教員: 福田 宏
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 火5
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
リアクションペーパー
レポート
詳細情報
概要
中東欧とは,冷戦時代に東欧と呼ばれた地域,すなわち社会主義体制であった国々からなる地域である。具体的にはロシアとドイツの間に位置する地域,つまり,バルト諸国,ポーランドやチェコ,旧ユーゴスラヴィアなどの国々を含むが,その領域は確定的なものではない。また,一般的にはドイツも中東欧に含まれると見なされるが,この点については議論がある。 この授業では,中東欧という概念の「揺れ」に注目しつつ,ロシアとドイツの間に共通する歴史的経験と文化について考えてみたい。
目標
中東欧地域についての基本的な知識を身につけるとともに,中東欧という地域概念そのものの「揺れ」が生じている理由についても,西欧やロシアとの関係性から理解できるようにする。また,日本と中東欧は地理的に離れているものの,「西洋」と対峙しつつ「遅れて」近代化を開始したという点で共通する部分もある。この授業では,日本から中東欧地域を見ることの意味についても考えていきたい。
授業外の学習
各回の授業で示す参考文献を読み,中東欧各国について事前に予備知識を得ておくこと。ロシア・ウクライナ戦争等により行くことが困難な場所もあるが,地域研究の基本は現地調査である。また,映画を観たり,旅行ガイドなどを参照したりすることによってなるべく現地のイメージを掴むようにして欲しい。なお,この授業の続編となる「ロシア・ユーラシア国際関係A」や,その他の地域研究関連科目を履修することが望ましい。
所要時間: 190分
スケジュール
- ※ 以下は予定であり,授業の進捗状況や国際情勢の変化により若干の変更がありうる。 はじめに:ロシアとヨーロッパの狭間としての中東欧
- 第1部:音楽と中東欧(主として19世紀) 「東」と「西」
- 第1部:音楽と中東欧(主として19世紀) 多民族国家オーストリア
- 第1部:音楽と中東欧(主として19世紀) スメタナの模索
- 第1部:音楽と中東欧(主として19世紀) ドヴォジャークの憂鬱
- 第2部:歴史問題(主として20世紀前半および21世紀の現在) エストニアとスロヴァキア
- 第2部:歴史問題(主として20世紀前半および21世紀の現在) ポーランドとオーストリア
- 第2部:歴史問題(主として20世紀前半および21世紀の現在) ロシアとドイツ(日韓との比較)
- 第3部:社会主義の経験(主として20世紀後半) 冷戦
- 第3部:社会主義の経験(主として20世紀後半) ロック音楽とテレビ
- 第4部:体制転換とその後(1989年以降) 1989年の「東欧革命」
- 第4部:体制転換とその後(1989年以降) ロマ問題
- 第4部:体制転換とその後(1989年以降) 民主主義の「後退」
- おわりに
教科書
教科書は特に指定しないが,毎回の授業にてレジュメ・資料を配布する。
参考書
毎回の授業にて数冊ずつ提示する。ここでは,講義全体を通して関係する文献を挙げておく。
新版 東欧を知る事典
著者: 荻原直 監修
出版社: 平凡社・2015年
中欧・東欧文化事典
著者: 中欧・東欧文化事典編集委員会編
出版社: 丸善出版・2021年