ロシア芸術(音楽)B

外国語学部

FRS68700

コース情報

担当教員: 梅津 紀雄

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 火4

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

リアクションペーパー

30%

レポート

50%

その他

ディスカッションを評価要素に含めます。実施の仕方は状況を見て柔軟に対応します。 リアクションペーパー(レスポンス)で確認されるのは出欠ではなく,自ら積極的に学ぼうとしたかどうかです。聞いていないと判断された場合は加点されません。 そもそも参加する意志に乏しいと判断された場合は退出していただきます。 出席点はありませんが,出席回数が2/3に満たない場合は,原則として単位を認定しません。欠席が多くなりそうな場合は個別にご相談ください。 レポートの書き方は各自で習得しておきましょう。 ※授業に参加する意志がないと判断された場合には,退室を求めるとともに,以後の受講をお断りすることがあります。

20%

詳細情報

概要

ロシアの芸術音楽史を,19世紀前半~20世紀後半を軸として概観します。 我が国ではあまり定着していませんが,19世紀まで音楽といえばオペラであったという事実に鑑み,オペラに一定の比重を置きます。 2023年度前期の「ロシア芸術(音楽)A」と同様に,通時的に講義を行い,ロシア音楽史の流れをロシア史の流れと関係づけながら学びます。原則として,Aとの重複を避けつつ,作品を取り上げますが,一部やむを得ず重複する場合があります。 また,ときおりディスカッションを実施します。 なお,2022年2月24日に勃発したウクライナ戦争は,当講義に直接の関係はありませんが,今日のロシア音楽の受容に少なくない影響を与えているため,必要に応じて言及する場合があります。

目標

(1)ロシア史の流れを踏まえながら,ロシア音楽史にかんする基礎的な知識を習得し,(2)文学などの周辺ジャンルを視野に入れつつ,同時代のロシア文化史との関係で音楽史の理解を深め,(3)相関関係の歴史として音楽史を検討することを通じて,ロシアについての先入観を問い直す,以上が授業の目標です。 なお,2022年2月24日に勃発したウクライナ戦争は,ロシアとウクライナとの複雑な関係を再考することを私たちに求めているといえます。ロシア文化を考える上で必要な,ウクライナについての最低限の知識も身につけましょう。

授業外の学習

・参考文献の関連箇所を読んでおく。 ・文学作品が関係する場合は,できる限り(翻訳で良いので)作品を読んでおく。 ・授業で扱う作品の演奏がYouTubeなどで公開されている場合が多いので,探して聴いてみる。 ・どんな作曲家,作品,出来事について,どんな資料があるか,自分で調べ,レポートのテーマを考える(書きたいテーマと書けるテーマは違う。CiNiiや本学の図書館,図書館提供のデータベースに精通しておきたい)。 ・レポートの書き方についての本を読んだことがない場合は,読んでおく。

所要時間: 190分以上

スケジュール

  1. イントロダクション ※以下の計画は,必要に応じ,変更されることがあります。また,100分で完結しない場合があります。予めご了承ください。
  2. 世紀までの音楽界:音楽院創設まで
  3. ロシア・オペラの古典:グリンカの《皇帝に捧げた命》
  4. 作家プーシキンとロシア・オペラ
  5. 《スペードの女王》:プーシキンの小説とチャイコフスキーのオペラ
  6. 遊牧民族との対立を描く:『イーゴリ遠征物語』とボロディン《イーゴリ公》
  7. 帝政末期の音楽とバレエ:《くるみ割り人形》
  8. ロシア革命後の音楽状況と社会主義リアリズムの成立
  9. ソ連オペラの探求:ショスタコーヴィチ《ムツェンスク郡のマクベス夫人》
  10. 大祖国戦争と音楽
  11. ジダーノフ批判と音楽(1):ショスタコーヴィチ《森の歌》とのその周辺
  12. ジダーノフ批判と音楽(2):映画《シベリヤ物語》と「うたごえ運動」
  13. スターリン後の「雪どけ」:ジダーノフ批判の見直し
  14. 後期ソ連:新たなる試み

教科書

教科書は使用しません。教室またはMoodleで資料を配布します。

    参考書

    シラバスでは基礎的な文献のみを掲示しています。詳しくは講義で提示します。ロシア語の音楽用語を調べたい方には,『露和・和露音楽用語小辞典』(朔北社)をお勧めします。

    • ロシア音楽事典

      著者: 日本・ロシア音楽家協会

      出版社: 河合楽器製作所,2006年

    • ロシア音楽史 : 《カマーリンスカヤ》から《バービイ・ヤール》まで

      著者: フランシス・マース

      出版社: 春秋社,2006年

    • ロシア音楽史I・II

      著者: クリューコフ他

      出版社: 全音楽譜出版社,1999年

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