ブラジル社会概論
外国語学部
FLS67400
コース情報
担当教員: 田村 梨花
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 水3
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
レポート
授業内期末試験
授業期間中
その他
試験は持ち込み不可。 正当な理由のない欠席を4回した場合は不合格となる。
詳細情報
概要
ラテンアメリカ地域の広大な一角を占め,多人種多民族によって形成されてきたブラジルを多文化社会と捉え,その形成過程と仕組みを考察する。植民地として開発されて以来ブラジルは,ヨーロッパ,アフリカ,中東,アジアから移民を導入してきた。ブラジルの多民族性や多文化性に対する政策や解釈を通じて,多文化社会ブラジルを捉え,グローバル時代の「多文化社会」を考える一助とする。また,社会格差との関連,民主化以降の社会政策の考察を通して現代ブラジル社会の新しい社会階級構造の把握を目的とする。キーワードとしては,人種,民族,家族・ジェンダー,人の移動など。授業形態は講義を予定しているが,アクティブ・ラーニング(グループ・ディスカッションなど)を行ない,授業の理解を深める。なお,講義スケジュールは予定であり,進捗状況によっては変更することもあるので注意すること。
目標
・多民族多文化社会としてのブラジル社会形成の理解を通じて,多文化化しつつある日本社会を考える一助とする。 ・文化のダイナミズム性を把握することで文化に対する柔軟な思考を養う。 (本科目はディプロマ・ポリシーDP5に該当)
授業外の学習
指定教科書『ブラジルの人と社会』の該当部分を事前に学習していることを前提に講義を進める。また,授業最終日(授業期間内期末試験日)を提出期限とするミニ・レポートの執筆も必須である。よって,各回の講義の流れとミニ・レポートの提出日を考慮しながら,各自で調整の上,各回につき190分程度の予習・復習・課題作成が必須である。以下の項目を参考にすること。 ・各回で指示された『ブラジルの人と社会』の該当部分を,講義の前に読み,自己の関心事や疑問についてまとめておくこと。 ・次回までの課題を指示された場合,必要な学習を行う。 ・ミニ・レポートの執筆に必要となる資料渉猟,読解,分析を各自進める。 ・授業期間内期末試験に向けて,各章の重要項目についてまとめておくこと。 ・授業後,質問があった場合は,講義中もしくはメールで教員に問い合わせること。
所要時間: 190分
スケジュール
- イントロダクション:ブラジルを捉える視点
- ラテンアメリカのなかのブラジル
- 社会形成の歴史(1) 住民の多人種多民族化
- 社会形成の歴史(2) 外国移民と「脱阿入欧」
- 社会形成の歴史(3) 「人種民主主義」と国家統合
- 社会形成の歴史(4) 階級社会と人種・人種民主主義の克服と多様性の承認
- 社会制度―宗教と家族制度―(1) 宗教と社会・家族制度の展開
- 社会制度―宗教と家族制度―(2) 今日の多様な家族形態
- 社会的公正への挑戦(1) 都市化と人口移動
- 社会的公正への挑戦(2) 民主化と社会開発・社会運動と市民の力
- 社会的公正への挑戦(3) 女性の社会参加と「フェミニシーディオ」
- グローバル化と人の移動(1) ブラジル人のディアスポラ
- グローバル化と人の移動(2) 日本におけるブラジル人
- 期末試験
教科書
下記テキスト1を使用するので,MyKiTS等で入手しておくこと。
ブラジルの人と社会 改訂版
著者: 田村梨花・三田千代子・拝野寿美子・渡会環共著
出版社: 上智大学出版・2024年
参考書
その他,講義の中で適宜紹介する。
「多人種多民族社会の形成と課題」丸山編『ブラジル』48-62頁。
著者: 三田千代子
出版社: 朝倉書店・2013年
「ブラジル社会の多様性とその承認」畑・山崎編『ラテンアメリカ世界のことばと文化』37-59頁。
著者: 三田千代子
出版社: 成文堂・2009年
『「出稼ぎ」から「デカセギ」へ―ブラジル移民100年にみる人の移動のダイナミズム』
著者: 三田千代子
出版社: 不二出版・2009年