ブラジル政治概論
外国語学部
FLS67100
コース情報
担当教員: 子安 昭子
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 金1
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 不可
評価方法
出席状況
リアクションペーパー
授業内期末試験
授業期間中
詳細情報
概要
ブラジルは1964年から1985年までの軍事政権時代を経て,現在まで民主主義体制を維持する,人口,国土面積,経済力(GDP)ともに南米最大の国家である。21世紀最初の約10年間は,新興国の雄として国際社会の中でプレゼンスを示してきたが,その後の10年間は国内政治経済の混迷が続いた。2019年から22年までの右派ボルソナーロ政権時代を経て,2023年にはルーラ元大統領による左派政権が復活した。この間ブラジルを取り巻く国際環境はますます複雑になっている。コロナ禍,ウクライナ侵攻,イスラエル・パレスチナ紛争などどれもブラジルにとって無縁ではない。ブラジルはどこに向かおうとしているのか。現代史を振り返る中でブラジルの今を読み解くカギを見つけたい。 アクティブラーニングとしては毎回の授業(最後の期末テストの日を除き)でリアクションペーパーを書いてもらうことになる。
目標
1985年以降のブラジル現代政治の流れと特徴を理解する。現代ブラジル社会が抱える問題について,授業での学びをもとに,おのおのが更に分析・考察できる力を身に着けること。
授業外の学習
・予習として使用するテキストや適宜配布する文献資料を読み,疑問点や関心をもったことについて自分でさらに調べ知識や情報を深める(所要時間120分)。 ・決められた期日までにリアクションペーパーを作成し提出する。それにあたっては授業で使ったシラバスや文献の読み直しなどは不可欠である。リアクションペーパーを書くことによって授業内容の復習にもなる(所要時間は70分)。
所要時間: 190分
スケジュール
- オリエンテーション
- 年以前のブラジル
- ブラジルの民主化のプロセスー軍事政権時代を再考する
- 民主化後の不安定な10年―サルネイからイタマル・フランコ政権まで
- 民主化後の安定期―カルドーゾ政権
- 民主化後の発展期―ルーラ政権
- ルーラ政権からルセフ政権へ―国際環境の変化,混乱する政治と経済
- ルセフ政権―汚職問題,経済低迷,大統領の弾劾
- テメル政権の取り組み―政治の振り子は左から右へ
- ボルソナーロ政権の政治・経済・外交①
- ボルソナーロ政権の政治・経済・外交②
- ルーラ左派政権の復活―ブラジルはどこに向かうのか?①
- ルーラ左派政権の復活―ブラジルはどこに向かうのか?② まとめ
- 期末テスト
教科書
参考書1で挙げた『ブラジルの社会思想―人間性と共生の知を』はブラジル社会の多様性,直面する課題について歴史的構造的に理解することができる。購入の義務はないが,本学科の教員も多数執筆しているので,是非一度手に取って読んでほしい。
現代ブラジル論―危機の実相と対応力
著者: 堀坂浩太郎・子安昭子・竹下幸治郎(共著)
出版社: 上智大学出版2019年
参考書
ブラジルの社会思想―人間性と共生の知を
著者: 小池洋一・子安昭子・田村梨花共編
出版社: 現代企画室2022年
新版 現代ブラジル事典
著者: ブラジル日本商工会議所(編)
出版社: 新評論2016年
躍動するブラジル―新しい変容と挑戦
著者: 近田亮平編
出版社: アジア経済研究所2013年