マカオの言葉と文化
外国語学部
FLS64200
コース情報
担当教員: 内藤 理佳
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 月3
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
レポート
授業内期末試験
授業期間中
その他
・毎回リアクションペーパーの提出を課し,出席に代えるものとする。 ・出席回数が講義回数の3分の2未満の者は評価の対象外となる。 ・授業最終日に内容理解を問う筆記試験を実施する。 ・期末レポートが指定日までに未提出の場合は評価の対象外(F)となる。
詳細情報
概要
中国広東省域内に位置する小都市,特別行政区マカオ(澳門)は,人口の9割以上が中国人(漢人)であり,広東地方の文化と言葉(広東語)が一般的に普及している。しかし,マカオは20世紀末まで,約四世紀半にわたって事実上ポルトガルの植民地として同国の統治を受けてきた背景から,他の中国の中小都市とも,またすぐ隣の香港とも異なる独自の文化を育んできた。その「独自な文化」の担い手として注目したいのが,マカエンセ(Macaense)と呼ばれるポルトガル人の子孫,すなわちポルトガル人の血筋を引き継ぐ人々の存在である。彼らは「マカオ生まれのポルトガル人」として,東洋と西洋が混在する文化的背景を自らのアイデンティティとして生き続けてきた。 本講義では,現在「世界一のカジノシティ」として知られるマカオの現状と歴史,世界遺産や伝統祭礼について,それらに大きな影響を与えたポルトガルの歴史とともに概観したのち,マカエンセの歴史と現状,そして彼らの文化について解説する。中でもマカオ無形文化遺産に制定されている,マカエンセの伝統料理と「パトゥア語」と呼ばれるポルトガル語系クレオール語の演劇活動について,映像資料を多用しながら詳しく解説する。
目標
・ポルトガルの歴史と深い関わりを持つマカオの歴史や現状について広い知識を得る。 ・マカオのポルガル人子孫である「マカエンセ」について学ぶことを通じて,世界に暮らすエスニック・マイノリティが抱える問題について考える。
授業外の学習
教科書を熟読するとともに,Moodleを通して提示された映像資料や文献資料を繰り返し視聴・読み込むことで理解を深める。 また,授業を通して,世界に暮らすエスニック・マイノリティが抱える問題の解決策について自分なりの考えをまとめていく。
所要時間: 授業1回あたり190分以上
スケジュール
- イントロダクション ※以下は予定であり,授業の進捗状況により変更する可能性がある。
- マカオの今
- マカオの「旧宗主国」ポルトガルという国(1)一般情報・歴史
- マカオの「旧宗主国」ポルトガルという国(2)世界遺産と伝統文化
- マカオの歴史
- マカオとカジノ産業
- マカオの世界遺産
- マカオの祭礼行事
- 「マカエンセ」という人々(マカエンセのエスニシティ)
- マカエンセの伝統料理
- マカオのクレオール語(パトゥア語)の継承と演劇活動
- マカエンセの文学
- まとめ
- 期末試験
教科書
下記の書籍を教科書として使用する。必ず入手すること。
ポルトガルがマカオに残した記憶と遺産―「マカエンセ」という人々
著者: 内藤理佳
出版社: 上智大学出版・2014
参考書
書籍情報はありません。