ブラジル社会開発協力

外国語学部

FLS63000

コース情報

担当教員: 蝋山 はるみ

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 金4

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

15%

授業参加

15%

リアクションペーパー

20%

レポート

50%

その他

尚,8 回ほどのグループワークを予定しており,それへの参加やリアクションペーパーを通じた貢献,つまり,授業を共につくっていくということを重視したい。この貢献の評価は量的には出席状況(出席の回数),質的には授業参加(グループワークへの参加)とリアクションペーパーで総合的に見る。よって,出席15%とあるが,出席が少なくて良いということではない。また,必ず出席が必要なグループワークがあるので,それは講義の最初に説明する。

0%

詳細情報

概要

本講義は日本政府がブラジルで支援した社会開発プロジェクトの現場の話を通して,社会開発協力への理解をはかる。導入として,ブラジルとプロジェクトが実施された北東部について概観する。また,社会開発の基礎と政府開発援助,国際協力機構(JICA)を中心に国際協力の基礎を学ぶ。 ブラジルは,ロシア,インド,中国,南アフリカをはじめとするBRICSのメンバー国として経済発展が注目されているが,国内に大きな社会格差と貧困の問題を抱えている。こうした課題解決の取り組みの一つとして「健康は生活の場でつくられる」というヘルスプロモーションの考え方にもとづく「まちづくり」がすすめられている。内発的地域開発の取り組みである。 ブラジル政府は日本に対し,この取り組みへの協力を要請した。日本政府はODAの実施機関である国際協力機構(JICA)そして厚生労働省の国立国際医療センターを通して,2003年12月から5年間,ブラジル北東部における「健康なまちづくりプロジェクト」に協力した。 このプロジェクトは,世界保健機関(WHO)のヘルスプロモーションという戦略に基づいているが,特に「住民と行政が協力して健康なまちづくりをすすめる仕組みをつくること」に焦点をあてた。健康なまちづくりを推進する人材の養成,人々の持ち味や潜在能力を生かしたコミュニテイづくりの肯定的手法,住民と役場の様々な部局がともにまちづくりを考える場,まちとまちの学びあいのネットワーク,そして大学や州政府による支援等,様々な仕組みづくりの過程を見ていく。まちの人々の意識がどのようにかわり,また,どのような活動が展開されて来たか,プロジェクト終了から現在に至る様子も含めて紹介する。ブラジル政府のSDGsの取り組みとの関連についても触れる。 ODAによる開発協力のプロジェクトは,あくまでもある地域や国のダイナミックな発展のプロセスに点とし働きかけるものである。こうした限られた事業を通していかにしたら人々のしあわせな暮らしづくりに貢献できるのか,ブラジルと日本の関係者の試行錯誤を紹介する。協力における日本側の触媒としての役割の大切さも考えたい。 本校でポルトガル語を学び,地域研究,国際関係論の考え方に触れた本講師は,上述した社会開発プロジェクトの専門家チームで,異文化間協力におけるコミュニケーションの促進ということにもかかわった。信頼と対話の大切さ等その経験から学んだことについても触れる。 ある特定のプロジェクト中心の話になるが,これを入口に,グローバル化が進み,様々な危機に直面するこの世界で,人々が共にしあわせに暮らすためにはどのような国際協力が必要なのか,開発協力の現場に関心のある,あるいは国内のまちづくりに関心のある受講生と一緒に考えていきたい。他学部,他学科の学生の参加も大歓迎である。

目標

自分なりの「共に生きる工夫」ということを考えられるようになること 「東北ブラジル健康なまちづくりプロジェクト」の概要,目指したことと実際を理解すること 同プロジェクトをブラジルの人々による社会開発の試行錯誤に位置付けられるようになること ヘルスプロモーション・健康なまちづくりの考え方を身につけること 社会開発における社会関係資本の大切さを理解すること 健康なまちづくりネットワークの取り組みに,どのようにSDGsの考え方が反映されているかを理解すること JICAが国際協力で大切にしていることを理解すること グローカルな視点を身につけること

授業外の学習

何回か簡単な宿題を出す。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. はじめに 1 講義の進め方 (簡単なグループワークあり) 現時点でのスケジュールを記す。最終的なものは講義の第1回で説明する。 以下は予定である。各テーマの時間配分等変更する場合もある。
  2. ブラジルと社会開発
  3. 社会開発と社会関係資本
  4. 社会開発の取り組みとしてのヘルスプロモーション (一部グループワークあり)
  5. 政府開発援助(ODA)とJICA ブラジルにおけるJICAの取り組み
  6. 東北ブラジル健康なまちづくりプロジェクト形成の背景 ー ペルナンブコ州における社会開発の試行錯誤 ー
  7. 東北ブラジル健康なまちづくりプロジェクト ー 概要,ヘルスプロモーション,健康なまちづくり,バンブー手法 ー (一部グループワークあり)
  8. 住民参加の取り組み バンブー手法を体験する1 (核となるグループワーク)
  9. 住民参加の取り組み バンブー手法を体験する2 (核となるグループワーク)
  10. プロジェクトのパイロト市町村における取り組み ー バンブー手法の実際と健康なまちづくりプロモーターの試行錯誤 ー
  11. プロジェクト活動のパイロット市町村から州内への拡がりそしてプロジェクト後から現在 ー ペルナンブコ健康なまちづくりネットワーク ー (一部グループワークあり)
  12. 東北ブラジル健康なまちづくりプロジェクトの多様性に富んだ現場 ー 信頼と対話 ー (一部グループワークあり)
  13. まとめ 1 (一部グループワークあり)
  14. まとめ 2 (講義あるいはグループワーク)

教科書

教科書は使いません。必要に応じ授業中に資料を配ります。

    参考書

    授業の際に指示します。

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