ポルトガル語科教育法B

外国語学部 - ポルトガル語学科

FLS61500

コース情報

担当教員: 拝野 寿美子

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 木3

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: あり

他学部履修: 不可

評価方法

出席状況

30%

授業参加

40%

レポート

30%

その他

原則として3回以上欠席した者は評価の対象から外す。「授業参加」は,事前に課された翻訳課題への取り組みや模擬授業の内容を指す。

0%

詳細情報

概要

日本でポルトガル語を学ぶ層は幅広い。大学生や社会人に対する外国語教育としてだけでなく,ブラジルにつながる子どもたちや青年の母語・継承語としての教育ニーズもある。特に高等学校でポルトガル語を学ぶ生徒の多くは後者であることから,「継承語としてのポルトガル語」教育を視野にいれた指導は不可欠になっている。これは,現在400万人ともいわれる海外ブラジル人移住者のホスト国においてポルトガル語教師が直面する共通の事象である。まずは欧米で先行している継承語教育や,日本におけるポルトガル語教育の独自性についても理解を深めた上で,教材研究や情報機器を活用した模擬授業を通して自身のポルトガル語力およびその指導力の養成を目指す。 【具体的な授業実施方法】 ・授業は原則として,全て対面で実施する。 ・教材提供や資料の掲示,課題提出には Moodle を使用する場合がある。Moodle を使用する際は,初回以降の授業内で指示する。 ・授業内で一人2回割り当てられる模擬授業にむけて作成する教材は,デジタル教材を最低1回は含めることとする。

目標

日本におけるポルトガル語教育を取り巻く環境の変化にも関心を向けながら,さまざまなレベルのポルトガル語力を持つ対象者を想定した教材の研究や模擬授業,レポート作成を通して,受講者のポルトガル語(指導)力養成を目指す。適宜グル―プワークを取り入れて授業を進める。

授業外の学習

配布のプリント等を予習すること。特に前半の数回はポルトガル語の論文講読となるため,次の授業までに自らの担当分を翻訳してくることが必須となる。翻訳にあたっては,自動翻訳ソフトは使用しないこと。翻訳発表や模擬授業については,相手に確実に伝わるような方法を考え,準備をしてくること。これらの準備と復習にあたっては,各回90分から190分程度の授業外学習が必要となる。

所要時間: 上記の準備と復習にあたっては,各回90分から190分程度の授業外学習が必要となる。

スケジュール

  1. ガイダンス(履修を検討している者は必ず出席すること) 授業概要の説明 ※以下は予定であり,授業の進捗状況により各テーマの回数は変更することがありうる
  2. 世界のポルトガル語 世界につながる武器となり得るポルトガル語の広がりを認識する。「使える言語」から「つながる言語」へ。
  3. 米国のポルトガル語教育事情Ⅰ 米国における外国語教育スタンダーズを確認しながら,外国語教育とは何かを概観する。
  4. 米国のポルトガル語教育事情Ⅱ Community Based Language Learningに基づくポルトガル語教育について概観する。
  5. 在日ブラジル人コミュニティを知る 日本におけるCommunity Based Language Learningの可能性を探るため,在日ブラジル人コミュニティの現況を把握する。
  6. 日本のポルトガル語教育Ⅰ 日本におけるポルトガル語教育史を概観し,学生自らのポルトガル語学習について歴史的位置づけを知る。
  7. 日本のポルトガル語教育Ⅱ 日本のポルトガル語関係史の始まりである大武和三郎の存在を知る,および今後の模擬授業の参考にするための材料を提示する。
  8. 語学教育に関する基礎知識Ⅰ 自身のこれまでの語学学習体験(英語やポルトガル語など)についてディスカッションを行う。
  9. 語学教育に関する基礎知識Ⅱ 語学習得に関する「モチベーション」の重要性を確認するとともに,「ポルトガル語習得」に特化したそれについて考察する。
  10. 情報機器の活用・教材学習/研究 模擬授業に使用し最終レポートともなる「教科書」作成に際に参照すべく,IT教材を含む既存の複数の教材の共通点や独自性などを認識する。
  11. 模擬授業(1巡目)/ディスカッション・コメント 1巡目の授業では,履修者が得意とするポルトガル語の文法事項の模擬授業を行う。持ち時間については,履修者の人数によって調整する。
  12. 模擬授業(1巡目)/ディスカッション・コメント
  13. 模擬授業(2巡目)/ディスカッション・コメント 2巡目の授業では,履修者が苦手とするポルトガル語の文法事項の模擬授業を行う。その際,オリジナルの教材を作成し,それを用いて授業を行う。
  14. 模擬授業(2巡目)/ディスカッション・コメント

教科書

プリント配布予定。

    参考書

    授業で参照する予定の図書。

    • 多言語社会日本

      著者: 多言語化現象研究会

      出版社: 三元社・2013年

    • Portuguese Language Journal 10: 2006-2016 Volume 2

      著者: Risner, Marin, Luis Gonçalvez (eds.)

      出版社: Roosevelts, Boa Vista Press, 2016

    • 親と子をつなぐ継承語教育 : 日本・外国にルーツを持つ子ども

      著者: 近藤ブラウン妃美, 坂本光代, 西川朋美編

      出版社: くろしお出版・2019年

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