言語学特殊講義1(言語獲得)

外国語学部

FLG70600

コース情報

担当教員: 菅原 彩加

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 火4

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

レポート

50%

その他

ワークシートの記入・提出50%,期末レポート50%です。期末レポートの内容は初回授業で説明します。

50%

詳細情報

概要

ヒトが扱っている「言語」とは何か,について第一言語獲得の観点から考察していきます。 なぜ言語の研究が認知科学(cognitive sciences; 脳の働きを研究する学問)だと言えるのかについて,具体例を使って他人に説明できるようになることを目標としています。 その具体的な方法としてこのクラスでは,子供が母語をどのように獲得していくのかについて,言語学の分野で考えられている仮説をもとに行われた実験を紹介しながら考察を深めていきます。 生成文法の考え方を理解してもらい,授業内で紹介する事例について「なぜ当該の仮説が提案されたのか」「なぜこの仮説の検証のためにこの実験を実施したのか」「なぜこの実験の結果からこのような結論が導き出されるのか」について知識と問題意識を深め議論していきます。板書での講義も適宜行いますが,予習でワークシートへの記入を行ったうえで授業中に学生同士で議論を行う,反転授業の方式を多く取り入れて授業を進めます。 また,議論の成果をレポートとして提出することで論理的思考力および書く力を養います。 ※秋学期「言語学特殊講義2(言語獲得)」を履修予定の方はできればこの「言語学特殊講義1(言語獲得)」を先に履修してください。

目標

・ヒトに備わっている「言語能力」について科学的に議論できるようになる。 ・言語獲得研究の基礎知識を修得する。 ・日本語および他の言語の特徴を文献を読むことで理解し,考察できる。 ・資料を批判的に読み,自分の考えをレポート内で表現することができる。

授業外の学習

教科書や資料の指定した部分をあらかじめ読み,理解を深めてから授業に臨んでください。前週に翌週分のワークシートを配布します。予習部分を読みながら記入し,授業に持参してください。予習は週1~2時間を想定しています。 復習は板書をもとに自分で取ったノートを参照して毎週行ってください。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. ガイダンス
  2. 動物のコミュニケーションとヒトの言語
  3. 音・韻律の獲得
  4. 構造依存性の獲得
  5. 構文木の練習
  6. 移動現象:かきまぜ文の獲得
  7. 移動現象:A'移動(wh項)の獲得
  8. 移動現象:A'移動(wh付加詞)の獲得
  9. 移動現象:A移動(受動態)の獲得
  10. 移動現象:A移動(Raising)の獲得
  11. 様々なパラメーターと言語獲得(名詞複合)
  12. 様々なパラメーターと言語獲得(項省略)
  13. 取り立て詞の獲得
  14. 総まとめ

教科書

教科書以外の必須資料は授業内及びMoodleで配布します。

  • はじめての言語獲得 普遍文法に基づくアプローチ

    著者: 杉崎鉱司

    出版社: 岩波書店・2015年

参考書

参考図書は授業内で適宜紹介します。

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