演習(外国語教育学)1

外国語学部

FLG66100

コース情報

担当教員: 渡部 良典

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 水2

形式: 対面授業

レベル: 400

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

15%

授業参加

30%

リアクションペーパー

15%

レポート

40%

詳細情報

概要

応用言語学の知識を外国語の習得,教育に体系的に生かすための演習。「応用言語学1,2」(「応用言語研究入門1,2」)を履修することが望ましいが,本コースの履修の要件とはしない。最初の2,3週は応用言語学の概説を行う。 「応用言語研究入門」では,言語学の諸分野(音声学,音韻論,形態論,統語論,意味論),語用論,心理言語学,社会言語学などで得られた知識や発見を日常の言語生活適用して,豊かな言語生活を送るための様々な要件を探った。さらに臨界期の仮説,第二言語習得論などの言語習得への応用例も紹介した。本コースでは,外国語の習得,教育に焦点を置き,音声の習得,語彙の習得,文法,語用論的能力などを習得するための原理を,さらに心理学と教育学の理論で補強し教材,指導法,テスト,評価などの形に具体化することを目標とする。 応用言語学の基礎知識を概略し,さらに基本的な指導原理や評価法の基本原理を学んだ後,受講生は自分の想定する学習者を想定した教材を開発する。合わせて,指導方法(その教材を使ってどのように教えるのか),学習評価(学習の成果をどのように測定するのか)についても構想する。学習者の年齢(幼児から大人の学習者まで),対象言語(外国語学部語学科の6言語のみならず,外国語としての日本語,その他の言語),目的などを想定し,社会科,理科,数学,法律,心理学等,を通して外国語を習得し,また同時に外国語を通してこれらの科目に関する理解を深めるための教材,指導法,評価法を作成し,受講者どうし,互いに生徒や教師になって,教え合い学び合う機会とする。 課題は,個人個人で異なるテーマにする,グループごとにテーマを選ぶ,全体で同じテーマを追求するなど,受講生の人数や希望によって臨機応変に対応する。内容の詳細については,受講者と討論しながら決める。

目標

1)関心のあるテーマの発見 2)テーマについて理解を深めるために,文献を探し,読み,検討する 3)受講者どうし互いに情報交換,討論を通して理解を深める

授業外の学習

外国語習得,外国語教育だけではなく,言語学,教育学,心理学,社会学などの諸分野に関心を持ち,そして本を読んだり,考えを文章にまとめたり,といった具体的な行為を通して,人に伝えることが重要。少しずつ目に見える形にしてゆく。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. 応用言語学の基礎知識の復習(1) 1)音声学:人間の使う音声とはその他の音声とどのように異なるのだろうか 2)音韻論:言語の音声は体系をなしている 3)形態論 (語の構成には規則がある)
  2. 応用言語学の基礎知識(2) 1)統語論:いわゆる文法と人間の世界の見方には関係があるといわれることもある 2)意味論:語彙,句,節,文,文章,すべての言語構造には意味がある 3)語用論:文に法則があるように,言語の使い方にもルールがある。会話の文法,敬意表現など
  3. 応用言語学の基礎知識(3) 1)社会言語学:言語にはさまざまな働きがあるが,人と人との関係を築くことも重要な機能。言語が社会で果たす役割について考察する 2)心理言語学:言語は人間に固有の能力である。発話,聞きとり,読み,書くといった行為は人間の認知と深くかかわっている
  4. 外国教育の基礎知識(1)心理学 1)記憶と言語習得 2)動機づけと外国語習得 3)外国語習得と年齢
  5. 外国教育の基礎知識(2)社会学 1)外国語の習得者と対象言語の関係 2)外国語を習得するということはその文化もあわせて習得することなのか 3)外国語は社会人としてだれもがもつべき能力なのか
  6. 外国教育の基礎知識(3)第二言語習得研究(1) 1)年齢と言語習得の関係 2)外国語習得理論(Krashenなど) 3)教室における言語習得
  7. 外国教育の基礎知識(4)第二言語習得研究(2) 1)外国語習得における指導の役割 2)誤りの訂正について(error correction) 3)外国語教育目的論
  8. 教科を外国語で教えるための基礎理論(1) 1)CLIL(Content Language Integrated Learning)紹介 2)CLILのための教材,指導法,評価法開発の大切さ
  9. 教科を外国語で教えるための基礎理論(2) 1)CLILの実践例を考察する 2)CLILにおける評価
  10. 学習評価(1)言語テストに関する基礎知識 1)いわゆるペーパーテスト 2)客観テストと主観テスト 3)言語教育評価における新傾向(ポートフォリオ,ダイナミックアセスメント,自己評価等)
  11. 学習評価(2)学習を促進するためのテスト 1)Learning-oriented model of language assessmentに関する基礎知識 2)Assessment for learning(学習のためのテスト・評価)研究入門 3)Relationship between assessment and motivation テストと動機付けの関係
  12. ミニ・プロジェクトの準備(1) これまでの授業内容から,自分のテーマを選び授業で発表/ コメントに応じて焦点を絞る
  13. ミニ・プロジェクトの準備(2) 12週に引き続き,テーマを具体化する 関係文献を探しこれまでどのような研究が行われており,どのような事柄が課題として残されているかを調べる
  14. ミニ・プロジェクトの準備(3) 12,13週の成果を元に研究企画書を作成する 自分の関心を研究課題(research question)にまとめる 研究を進めるため必要な情報・データを特定する

教科書

授業中に随時配付

    参考書

    書籍情報はありません。

    © 2025 上智非公式シラバス. All rights reserved.