上智非公式シラバス

演習(外国語教育学)２

外国語学部

FLG66000

コース情報

担当教員: 渡部 良典

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 水2

形式: 対面授業

レベル: 400

アクティブラーニング: あり

他学部履修: 可

評価方法

出席状況

15%

授業参加

30%

リアクションペーパー

15%

レポート

40%

詳細情報

概要

演習(外国語教育学)１に引き続き,応用言語学の知識をさらに外国語習得,外国語教育法に特化し適用し,時代の流行や一時の流行り,世論に流されない確固とした原理に基づいた外国語指導法,習得法,教材を開発することを目的とする。 私たちは外国語を教える際,自分が教えられた方法で指導をする傾向がある。しかし,その方法が現在教えている生徒にも効果的であるという保障はない。あるいは学習者として私たちは試行錯誤を繰り返しながら外国語を習得しようとしている。もっと効果的な方法はないのだろうか。もしあるとすればそれはどのようなものなのだろうか。このコースの目的は,すでに発見され報告されている様々な習得方法を受け手として学ぶのではなく,自分で検証し報告するというふうに知識を創造することである。 「応用言語学１，２」(2014年度以降「応用言語研究入門１,２」)の知識を援用するが,必ずしも履修している必要はない。

目標

「演習１」と同様,外国語教育,外国語習得研究に必要な応用言語学の基礎知識の復習からはじめるが,「演習２」では,さらに一歩進み,自分の頭で考え,自ら文献を読み,データを集め,分析して,外国語の習得及び指導法,教材に関する理解を深めることに焦点を移す。習得した知識を単に死んだ知識として頭に置いておくのではなく,活性化して習得法,指導法,教材という形に具体化することを最終目標とする。

授業外の学習

１)言語学および応用言語研究で得られた知識を,外国語習得,外国語教育に適用する手立てを知る。２)外国語習得,外国語教育を,自分の成功体験のみに基づいて行うのではなく,しっかりとした原理に基づいて行うことができ,またそうすべきだということについて納得する。 ３)上記,１)および２)を,指導法,教材という具体的な目に見える形にする。

所要時間: 200分

スケジュール

  1. 応用言語学１,２の復習 言語の構造,言語の機能,言語は人間を最も人間らしくする能力であることを知る 言語と隣接諸科学(心理言語学,社会言語学,言語と脳)について理解を深める
  2. 言語学と言語習得の関係 言語理論は言語習得理論にどのような貢献をしているのか 言語習得理論から言語理論へ 言語理論,言語習得,外国語習得の研究
  3. 心理学と外国習得理論(１) 外国語習得における記憶の役割 性格と外国語習得には関係があるのだろうか
  4. 心理学と外国習得理論(２) 認知スタイルと外国語習得 外国語習得における動機付け理論
  5. 外国語習得の社会学(１) 外国語習得にはどのような社会的意義があるのか 各国の外国語教育の状況を調べる
  6. 外国語習得の社会学(２) 習得対象言語(target language)の地位と習得者(learner)の文化との相対的関係について検討する
  7. 外国語習得の成果を測定するためのテスト・評価の研究(１) 大規模テストの構成と目的,その他の詳細を調べる 各語学各種検定試験,TOEFL,TOEIC,大学入試センター試験,等
  8. 外国語習得の成果を測定するためのテスト・評価の研究(２) 言語テストの心理学 言語テスト受験者の心理を考察して,やる気にさせるテスト・評価の条件を考察
  9. 外国語の学習指導教材開発 今週から,最終課題完成に向けての内容 適宜発表も含む。第１週から第８週までの内容を基盤にして,外国語学習教材を開発するための基礎知識を紹介
  10. 外国語の指導法・学習方法 第１週から第８週までの内容を基盤にして,外国語学習方法・指導法を開発するための基礎知識を紹介 学習ストラテジー(language learning strategies),外国語教員が必ず知ってくべき内容をテスト形式にしたTKT(Teaching Knowledge Test)などにも触れる
  11. 外国語のテスト・評価法開発 第１週から第８週までの内容を基盤にして,外国語学習・指導のためのテスト・評価法を開発することを想定し,基礎知識を提供する
  12. 第１週から11週までの内容を基にして,各自テーマを選定し,自分なりの考えをまとめて発表 参加者同士で討論を行いテーマを絞る
  13. 第12週に引き続き,焦点をさらに絞ったテーマについて各自発表する 互いに意見の交換を行い,近いテーマを選んだ者どうしで協力し合い,具体的な情報収集,作成に取り掛かる
  14. 第13週に引き続き,各自発表を行う 討論やコメントを通して最終課題の草稿(first draft)を作成

教科書

授業中に随時配付する

    参考書

    書籍情報はありません。

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