ラ米政治社会特論A

外国語学部

FHS70500

コース情報

担当教員: 幡谷 則子

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 水1

形式: 対面授業+オンライン授業(オンデマンド授業,同時双方向型授業(Zoomなど)) /Alternating face-to-face & A

レベル: 300

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

15%

リアクションペーパー

15%

レポート

70%

詳細情報

概要

グローバル化の進む今日のラテンアメリカ社会が抱える諸問題の中から,貧困・紛争・人権問題などを取り上げて考察する。これらの理解に必要な概念を整理したのち,具体的な事例において各問題に対する政府,NGO,国際機関,そして人々の取り組みを紹介する。グローバルな開発がもたらす影響と,その過程で出現した新しい形態の民衆運動についても考察する。また,今期はラテンアメリカ独自の開発の思想や,21世紀の開発論における新しい潮流も紹介する。受講者は,春学期の「ラ米現代史概論」を受講済みであることを原則とする。オンライン授業回は日程調整中のため,以下の予定から変更になる可能性があるので,必ずMoodleなどで提示するアナウンスを確認すること。なお,本授業は,学部カリキュラム・ポリシーの4に相当するものである。

目標

ラテンアメリカ諸国の現代社会問題の基本的テーマについて知見を深めるだけでなく,ラテンアメリカ地域に限らず,経済発展過程で生ずる様々な矛盾やコンフリクトと,それらに対する解決の方法を考えるための基本的な知識と思想について理解し,実際の社会で起こっている事象に対する考察力を身につける。 3回程度はコロンビア等ラテンアメリカの専門家とZoomオンラインでつなげ,講義およびとディスカッションを予定している。(オンライン接続回はイスパニア語で行う)。

授業外の学習

授業ではパワーポイントや回によってはYou Tube映像なども紹介しながら運営される。当該授業で扱うそれぞれのテーマに沿った参考文献を含むパワーポイント資料や関連するデジタル資料もMoodleに掲載するので,受講者はそれに前もって目を通しておくこと。参考文献を手がかりに,さらなる事例研究について知見を深め,A4で6-7枚程度のレポートを提出する(詳細については初回に指示を出す)。授業時間以外で学内で開催されるラテンアメリカおよび授業でとりあつかう社会問題に関する講演会やシンポジウム(オンラインを含む)については,随時案内を行うので,受講者は積極的にこれらに参加することを奨励する。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. 講義スケジュールの紹介。参考文献の提示。今日のラテンアメリカの社会問題について鳥瞰する。ラテンアメリカにおける開発の思想の変遷について (10月2日)
  2. 社会問題へのアプローチ―社会開発と経済開発。「貧困」の定義。対貧困政策の潮流と課題。(10月9日)
  3. 社会開発の課題と取り組み(1)教育問題 (10月16日)
  4. 現場の実践例 ①民衆居住区の教育問題 現場から(10月23日)(オンライン授業を調整中)
  5. 社会開発の課題と取り組み(2)都市の貧困化と政策(10月30日)
  6. 社会開発の課題と取り組み(3)ジェンダ問題ーとリプロダクティブヘルス (11月6日)
  7. 社会開発の課題と取り組み(4)医療と社会保障制度 (11月13日)
  8. 現場の実践例 ②パンデミックと公衆衛生 (11月20日)(オンライン授業を調整中)
  9. 国際的な取り組み (1)麻薬問題と麻薬撲滅政策(11月27日)
  10. 現場の知見から ③ 紛争と国内避難民問題—ジェンダーの視点から(12月4日)(オンライン授業を調整中)
  11. エスニック・マイノリティ 先住民の抱える諸問題 (12月11日)
  12. 国際的な取り組み(2)開発と気候変動,環境破壊 (12月18日)
  13. オルタナティブな経済活動―協同組合・フェアトレード・連帯経済 (1月8日)
  14. 辺境からナショナル,グローバルな動きを考えるーアフロ系コミュニティの事例から (1月15日)

教科書

テキストは指定しない。授業概要および関連資料は前日までにMoodleに表示する。受講者にはテーマ別に積極的な文献渉猟を求める。以下を参考文献の一部として示す。加茂雄三ほか『ラテンアメリカ』自由国民社 1999年 小池洋一ほか編『図説ラテンアメリカ』日本評論社 1999年 西島章次・細野昭雄編『ラテンアメリカ経済論』ミネルヴァ書房 2004年 幡谷則子・下川雅嗣編『貧困・開発・紛争―グローバル/ローカルの相互作用』上智大学出版2008年

    参考書

    • 資本主義の次に来る世界

      著者: ジェイソン・ヒッケル

      出版社: 東洋経済・2023年

    • 開発との遭遇—第三世界の発明と解体

      著者: アルトゥーロ・エスコバル

      出版社: 新評論・2022年

    • 辺境からコロンビアを見る―可視性と周縁性の相克

      著者: 幡谷則子・千代勇一編

      出版社: 上智大学出版・2024年(近刊予定)

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