近現代スペイン研究
外国語学部
FHS65330
コース情報
担当教員: 加藤 伸吾
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 水3
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
レポート
その他
レポートは4000字以上上限なし。
詳細情報
概要
19世紀以降のスペイン史の流れを概説する。 その際,サブタイトルにもある通り,政治・経済と社会・宗教を3つの軸として,それぞれがどのように「近代化」したかを見ていく。 「近代化」といっても「近代」=善という単純な図式でもなく,また近代化に向けて右肩上がりのほぼ直線を描くのが19世紀以降のスペインというわけでもない。 その「近代化」の基準は示しつつ,それを物差しとして見た場合スペインがどれほどの紆余曲折を経たかを理解してほしい。 講義を聴くのみならず,リアクションペーパーの提出が毎回求められるが,授業のまとめや感想のみならず,授業内容などへの質問や要望など,担当教員への積極的なフィードバックを期待したい。リアクションペーパー以外の形態でのやり取りも大歓迎。 なお本講義は学部カリキュラム・ポリシーの4.に相当する。
目標
19世紀以降のスペイン史について,その基本的な用語について理解し,諸問題について論じることができるようになる。 また,本講義の教科書の内容,その他の先行研究も踏まえた,受講者独自の問いやそれへの回答ができるようになる。
授業外の学習
レポートの書き方についての指導は行わないので,各自で自習が必須。毎年レポートの基礎を学んでいないケースが散見されるので特に注意してほしい。 レポートの基礎については,テキストの1・2を参考のこと。また,以下の動画をぜひ見ておいてほしい。 「テーマの発見と設定」 https://www.youtube.com/watch?v=fJOEEp8M6cw 「剽窃について」 https://www.youtube.com/watch?v=IxM1e4W1S8I 以上でレポートの基礎を学んだ上で,担当教員とコメントペーパーを利用したやり取りを行い,そのレポートの核となるリサーチ・クエスチョンを煮詰めていく。 そのためには,受講と並行して,興味のあるテーマに関わる資料の収集と読解が欠かせない。授業内容だけではレポートは書けない(レポートは授業のまとめではない)ので,興味のあるテーマに関わる資料の収集と読解に早期に着手すること。資料が妥当なものとは限らないので,テーマを設定したら早めに参考文献リストを作り,担当教員にこれで良いか相談すること。 また,前年度のレポート講評を添付しておくので読んでおいてほしい。
所要時間: レポートの準備(テーマの検討と設定,資料収集と読解)は早めに着手したい。授業1回ごとに200分程度。
スケジュール
- イントロダクション 近代化の諸相
- スペイン史(1)いわゆる「再征服運動」
- スペイン史(2)「ラス・エスパーニャス」(複数形のスペイン)と「スペイン」国家の成立
- スペイン史(3)スペイン帝国の浮沈
- スペイン史(4)フランス革命と自由主義国家の成立
- スペイン現代史(1)復古王政と1930年代の民主化(第二共和政)
- スペイン現代史(2)内戦とフランコ体制前期
- スペイン現代史(3)フランコ体制後期
- スペイン現代史(4)1970年代の民主化①
- スペイン現代史(5)1970年代の民主化②
- スペイン現代政治(1)民主化後の諸政権
- スペイン現代政治(2)社会運動の位相:左派ポピュリズムと極右
- スペイン現代政治(3)社会運動の位相:歴史的記憶問題
- スペイン現代政治(4)社会運動の位相:中央と地域のナショナリズム
教科書
八嶋由香利編『スペイン 危機の二〇世紀』慶應義塾大学出版会,2023年 特に担当教員が執筆した第2章・第6章
レポート・論文の書き方入門 第4版
著者: 河野哲也
出版社: 慶應義塾大学出版会,2018年
伝える伝わる文章表現
著者: 新稲法子
出版社: ケイエスティープロダクション,2021年
参考書
立石博高・内村俊太編『スペインの歴史を知るための50章』明石書店,2016年
Modern Spain: from 1808 to the Present
著者: Pamela Beth Radcliff
出版社: Wiley, 2017
Manual de historia política y social de España (1808-2018)
著者: Miguel Martorell y Santos Juliá
出版社: RBA, 2019
スペイン・ポルトガル史 下
著者: 立石博高・中塚次郎・合田昌史
出版社: 山川出版社,2022年