ヨーロッパ思想入門

外国語学部

FGS76900

コース情報

担当教員: 石田 安実

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 木4

形式: 対面授業+オンライン授業(オンデマンド授業,同時双方向型授業(Zoomなど)) /Alternating face-to-face & A

レベル: 200

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

10%

リアクションペーパー

30%

定期試験

定期試験期間中

60%

その他

● 出席に関して:出席の上,リアクションペーパー(リアペ)を提出で40% ▶ 「出席」の確認は,基本的にMoodle上にリアクションペーパー(リアペ)の提出してもらうことで行う。 ▶ リアペには,基本的に授業の「感想」を書いてもらう。時に,課題を課すことがある。その場合は,「課題への回答」と明記して回答すること。 ▶ 2分の1以上の出席を学期末の試験を受験するための必須条件とする。どうしても避けられない欠席や特別な事情がある時は,あらかじめメールで申し出ること。また,出席に関する相談や交渉はできれば事前にすること。 ● 期末試験について: ▶ 教室での試験を予定している。論述問題が中心。詳細は,学期末近くに発表する。

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詳細情報

概要

この授業では,外国語や外国文化を学ぶ者,またはヨーロッパに関連する分野の研究をする者として知っておくべきものの一つとしてのヨーロッパ思想,そしてその歴史的背景に焦点を当てて講義する。授業は,次の2つの観点をふまえて行う。 EU(欧州連合)の土台にもなったヨーロッパの歴史は,2000年以上におよぶ。その長さとそこで行われて来たさまざまな人間の営為を反映して,講義のテーマは,古代のギリシア思想,ヘレニズム,ヘブライズム,中世の思想から,科学革命,戦後の思想,現代の移民・難民問題にいたるまで多岐に渡る予定である。その長い間に生まれた思想や宗教や考え方は実にさまざまであるように見えるが,それらの間に一貫した何か,何か共通の「ヨーロッパ的」と呼べるものがあるのだろうか――本講義は,そうした観点からヨーロッパに生まれた思想や宗教を概観する。これが,第一の観点である。 第二の観点は,ヨーロッパ思想は現代にとって,つまり現代に生きるあなたたちにとってどのような意味・意義を持つのか,というものである。講義する内容は主にいわゆる「昔のヨーロッパ思想」となるが,同時に,そうしたかつての思想や考え方が,現代の社会(場合によっては,日本の社会)にどのように影響し,私たちの意識の中で存続しているかという観点からも考察したいと考えている。「グローバル化」などと呼ばれる近年の社会的動き以前に,私たちの周りには「ヨーロッパ的思考」がすでに入っていたのではないか,また,そのように見えるものをどのような意味で私たちは「ヨーロッパ的」と呼ぶのか――そうしたことを考える視点と視野,またメディアやマスコミに見られる安易で時に軽薄な(?)レッテル貼りを見抜く知識と見識を身に付けてほしいと思う。 本講義は一般教養のレベルであるが,この授業で講じられるさまざまな内容が,自分の学的関心や問題関心にどう関係しうるのかを常に意識,自問しながら,受講してほしい。 いくつかのトピックについては,時間が許せば,講師の専門領域である哲学・倫理学への導入も行いたいと考えている。しかし,受講に前提となる知識,専門用語などはない。

目標

ヨーロッパ的思想とその背景を学ぶことを通して,現代にも行き渡る「ヨーロッパ的」と呼ばれる考え方や思想傾向について,冷静に考察できる知識・視野・見識を身につける。

授業外の学習

● 授業用のパワーポイント資料で「青いスライド」は歴史的背景を説明するもので,授業では多く説明しないので,自分であらかじめ読んでおくこと。 ● 講義中に紹介される文献や参考資料だけでなく,受講者自身が,自ら関心をもって,それ以外のメディアや著作に中に,「ヨーロッパ的思考」「ヨーロッパ的人間像」と見なされるもの,またはそう考えられ得るものを探ることを勧める。 予習・復習(合計190分)に関しては,以下の学習が推奨される。 ● 予習:授業資料を用いて,講義の内容や疑問点を確認する(50分)。 ● 復習:授業中に言及された文献もしくは参考文献,さらには関連文献を見つけて読む(120分)。 ● さらに, 授業で説明された内容や概念が,メディアなどで正確に言及されているかを,インターネット等を用いて確認する(20分)。

所要時間: 毎回,以下の学習(合計190分)が求められる。詳細は上の項目を参照。 ● 予習:50分 ● 復習:140分

スケジュール

  1. ガイダンス★(=教室(on Campus)での講義):講義の進め方,内容についての説明,事務的な注意など。 「ヨーロッパ的なもの」とは
  2. 古代ギリシア思想①:ポリスと神話思想(ミレトスの自然哲学)
  3. 古代ギリシア思想②:ポリス・アテナイの哲学者たち(ソフィスト~プラトン)
  4. 古代ギリシア思想③:ポリス・アテナイの哲学からヘレニズム時代へ(アリストテレス~ストア派)
  5. ヘブライズム①:ヘブライ人とユダヤ教
  6. ヘブライズム②:初期キリスト教
  7. 中世のヨーロッパ(現在のところ,★を予定):キリスト教の展開と思想・哲学
  8. 中世から近世へ:ルネサンス,宗教改革
  9. 近世の思想①:過渡期の思想的事件から科学革命へ
  10. 近世の思想②★:近代的人間観(デカルトとホッブス)
  11. 近代の思想①:啓蒙時代の哲学からドイツ観念論へ
  12. 近代の思想②:民主主義と哲学(イギリス功利主義)
  13. 現代の思想①:20世紀の哲学(2つの潮流)
  14. 現代の思想②★:ヨーロッパの現代――移民,世俗化,および残された課題,まとめ

教科書

教科書は使用しない。参考資料や文献は,授業の際に配布するか,紹介する。

    参考書

    授業で紹介される思想家の原文に触れてみたい場合の参考書としては,分かりやすく解説したものとして以下を勧める。中心的思想を表す短い引用文の後に,解説を載せている。 なお,講義中に参考文献を示すことがある。

    • 『はじめて学ぶ西洋思想――思想家たちとの対話』

      著者: 村松茂美 他[編]

      出版社: ミネルヴァ書房・2005年

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