日独経済概論
外国語学部
FGS73700
コース情報
担当教員: 黒川 洋行
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 金5
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
レポート
その他
欠席回数が,全体の30%を超過した場合には,他の評価要素にかかわらず不可とする(ただし,コロナ等のやむを得ない場合は,別途考慮する)。
詳細情報
概要
戦後ドイツの経済発展について,日本との比較において学ぶ。その際,戦後ドイツの経済政策における基本的理念として現在まで妥当している「社会的市場経済」(Soziale Marktwirtschaft)の理念と概要について解説することを通じて,あるべき競争秩序(Wettbewerbsordnung),およびそれを実現するための秩序理論上の諸原理についての知見を得るとともに,現代の市場経済システムに関する課題とその解決の方途について,自ら論理的に思考できるようにする。また,戦後の日本経済との比較について,主に金融システム(地域金融)や,労使関係・労働市場の比較分析を行う。アクティブ・ラーニングとして,講義内容を踏まえ,日独両国における諸市場形態における問題点・課題について,学生との間でディスカッションを行う。
目標
1)ドイツ経済分野における基礎知識を修得する。 2)戦後ドイツ経済の発展とそれを支える経済政策と理念について,新しい自由主義の側面からの基礎的理論と知見を修得する。 3)日本とドイツの経済発展を考える際の構造的な共通点および相違点について論理的に理解し,市場経済システムの利点や問題点とそれを解決する能力を涵養する。
授業外の学習
毎回の授業後,以下の学習(合計190分)を行うことが求められる。 ・自筆ノート・メモを利用し,講義の内容を要約する(60分) ・授業中に配布された文献コピー,または言及された参考文献を読む(100分) ・授業で言及された事実やデータをインターネットの複数のサイトで確認する(30分)
所要時間: 190分
スケジュール
- イントロダクション:
- 戦間期ドイツ経済と新しい自由主義の誕生
- 戦後の日独経済復興と経済体制
- エアハルトと社会的市場経済(Soziale Marktwirtschaft)の理念
- ヴァルター・オイケンとオルド自由主義(Ordoliberalismus)
- ヨーロッパ経済統合とドイツ:共同市場と競争政策(Wettbewerbspolitik)
- 経済政策(1)W.オイケンの秩序理論と秩序政策(Ordnungspolitik)
- 経済政策(2)J.M.ケインズのマクロ経済理論と経過政策(Prozesspolitik)
- 社会政策(1)社会保障制度とハルツⅣ改革
- 社会政策(2)日独の労使関係・労働市場の比較分析 アクティブ・ラーニング1:労働市場における市場形態論から,日本の労働市場における問題点および課題について,ディスカッションを行う。
- ゲストスピーカー招聘講義:ルードヴィヒスハーフェン経済大学との交換講義プログラムによる講演(ドイツ経済関連)
- 銀行システム:ドイツの貯蓄銀行(Sparkasse)の金融機能と日独銀行システム比較
- ユーロ危機とEU銀行同盟:ドイツの政策的立場
- 総まとめ アクティブ・ラーニング2:日独の経済秩序,とくに財政規律と社会保障政策における相違点および類似点の比較について,ディスカッションを行う。
教科書
最新の論文・資料を使用するため,毎回の授業においてそのコピーを配布する。
参考書
ドイツ社会的市場経済の理念と政策 オルド自由主義の系譜
著者: 黒川洋行
出版社: 関東学院大学出版会,2012年