ドイツ語圏の社会と言語
外国語学部
FGS63400
コース情報
担当教員: 木村 護郎クリストフ
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 金3
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
授業参加
リアクションペーパー
授業内期末試験
授業期間中
中間試験
授業期間中
その他
評価の割合は予定であり,履修者数や授業の進行などによって調整する場合がある。 グループワークなど,授業への積極的な参加が求められる。 提出物を4つ以上提出しなかった場合,原則として単位を認定しない。
詳細情報
概要
この授業では,言語という観点からドイツ語圏の社会について考えていく。テーマとしては,ドイツ語圏の社会における言語の役割,ヨーロッパにおけるドイツ語の地位,ドイツ語をめぐる諸問題(外来語,男女のことば,正書法など)があげられる。 今年度は,ドイツ語の社会文化的な発展の来し方行く末を考察する。学期の前半では,17世紀から第二次世界大戦に至る時代ごとのドイツ語の特徴を,代表的な文学作品をも紹介し,部分的に鑑賞しつつ,見ていく。後半では,現代に目を転じて,英語が社会のさまざまな場面に浸透しつつあるなかで,ドイツ語は今後どうなっていくのかを,異なる観点をとりあげて考察する。ドイツ語圏での議論や方針は,固有の言語文化をもちつつグローバル化に直面する日本にとっても示唆に富む。 学期前半は,客員教授のMatthias Theodor Vogtが担当して主にドイツ語を用いつつ,日本語でも内容が解説される。後半は,木村が担当し,授業は主に日本語で行うが,ドイツ語のテキストをとりあげることは変わらない。履修者によるテキストの内容に関連する発表と議論を予定している。 ドイツ語のこれまでの展開,またその現状および未来を考えるうえで最低限おさえておくべき観点や論点を把握し,ドイツ語という言語の発展についての理解を深めるのが目的である。そのことをとおして,言語が社会や文化を形成するうえで果たす役割,また異なる文化を内包する外国語を学ぶ意味もみえてくるだろう。 なお,本講義の内容は「ヨーロッパ言語社会論」および「ヨーロッパの社会と言語A」と関連しており,これらの科目を履修していることがのぞましいが,これらの科目の履修を前提とするものではない。
目標
ドイツ語という言語の社会的な側面について理解を深めて,ドイツ語の形成と社会的な特徴について具体的に説明できるようになること。
授業外の学習
授業への準備として,授業時間外にドイツ文学からのテキストやドイツ語に関する文献(主にドイツ語)を読んで,内容を理解したうえでグループワークや発表等に備える。授業時間1回あたり190分程度。
所要時間: 190分(目安)
スケジュール
- 導入:言語の社会文化史とは なぜそれを学ぶ意味があるのか。 ※以下は予定であり,授業の進捗状況により各テーマの回数は変更することがありうる。
- 世界文学という発想 Goethe in Weimar 1775-1832 und die Idee der Weltliteratur (Matthias Theodor VOGT)
- 三十年戦争のなかで Andreas Gryphius (1636) und die Thränen deß Vaterlandes (Matthias Theodor VOGT)
- 表現主義の試み August Stramm 1914 und die Auflösung der Sprache (Matthias Theodor VOGT)
- 女性の自由のために Mascha Kaleko, Else Lasker-Schüler und die neue Freiheit der Frauen (Matthias Theodor VOGT)
- 第三帝国での表現活動 Erich Kästner und das Dritte Reich (Matthias Theodor VOGT)
- ショア(ホロコースト)とその記憶 Alfred Margul Sperber und die Shoah (Matthias Theodor VOGT)
- 英語の浸透をどう考えるか(導入)
- 英語普及推進論(1)共通語の功
- 英語普及推進論(2)批判への応答
- 言語の多様性擁護論(1)言語の危機と多言語の意義
- 言語の多様性擁護論(2)批判への応答
- 英語の浸透とドイツ語の未来
- まとめとテスト
教科書
授業中に適宜紹介する。
参考書
書籍情報はありません。