ヨーロッパの社会と言語B
外国語学部
FFS63201
コース情報
担当教員: 佐野 彩
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 火4
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
レポート
その他
5回以上の欠席がある場合は評価の対象外(不合格)とする。
詳細情報
概要
ヨーロッパでは英語,フランス語,ドイツ語といった「大言語」をはじめ,たくさんのことばが話されています。 この授業では,ロマンス語圏を中心に,ヨーロッパの西部・南部における言語と社会を見つめ,言語と国家の成り立ち,言語と国境,多言語国家・地域における言語のあり方,地域・少数言語の言語状況・復興運動,ヨーロッパ・レベルの言語政策などについて,社会言語学的観点から考えていきます。 まず,西ヨーロッパを中心にヨーロッパの言語状況を概観した上で,いくつかの国を取り上げ,それぞれの国の言語状況や言語政策を具体的に見ていきます。また,ヨーロッパには限られた地域や少ない数の話者にしか話されていないような小さな言語も多くあります。この授業では「大言語」の傍らで話されてきた地域・少数言語にも目を向け,そのような言語のあり方や使われ方を検討し,西ヨーロッパの言語的多様性・重層性について考えます。 授業は講義を中心としますが,ディスカッションも取り入れます。 また,毎回の授業後に,リアクションペーパーを提出していただきます。リアクションペーパーは,授業内容についての理解・知識の確認も含みます。 そしてそれをもとに次の授業で,前回の授業内容の確認・補足とさらなる考察を行います。
目標
1)ヨーロッパにおける言語と国家の関係を歴史的観点を含めて理解し,具体的に説明・考察できるようになる。 2)ヨーロッパにおける言語的多様性・重層性とそれに関する取り組みを理解し,具体的に説明・考察できるようになる。 3)ヨーロッパにおける言語と社会について具体的に理解・考察し,日本やそのほかの国・地域と比較する視点を培う。
授業外の学習
【予習】(各回15分程度) ・授業で使用するスライドに目を通しておく。 【復習】(各回120分程度) ・授業の内容を振り返り,各自の関心や知識・経験に引きつけて考察し,授業の要点や気づいた点,気になった点をまとめておく。 ・各自の関心に応じて,授業中に紹介する参考文献を読む。 【レポートの準備・執筆】(時期・段階に応じて適宜) ・レポートを執筆するためのリサーチを行い,レポートを執筆する。
所要時間: 190分
スケジュール
- イントロダクション―世界の言語のなかの(西)ヨーロッパ言語 ※以下は予定であり,授業の進捗状況や受講者の関心等により各テーマの回数や順序は変更することがありうる。
- 「一言語一国家」のヨーロッパ?
- フランスの言語と社会(1)フランスとフランス語の歴史
- フランスの言語と社会(2)フランスの言語的多様性
- フランスの言語と社会(3)地域・少数言語の復興運動
- スイスの言語と社会(1)スイスの多言語主義
- スイスの言語と社会(2)多言語国家スイスの現状と課題
- イタリアの言語と社会(1)イタリアとイタリア語の歴史
- イタリアの言語と社会(2)イタリアの言語的多様性
- ベルギーの言語と社会(1)ベルギーの言語政策
- ベルギーの言語と社会(2)「言語戦争」について
- ルクセンブルクの言語と社会
- ヨーロッパの言語政策(1)多言語主義と複言語主義
- ヨーロッパの言語政策(2)地域・少数言語について
教科書
テキストは指定しません。 適宜,関連する参考文献を紹介します。
参考書
『ヨーロッパの言語と国民』
著者: ダニエル・バッジオーニ
出版社: 筑摩書房・2006年
『多言語世界ヨーロッパ―歴史・EU・多国籍企業・英語』
著者: クロード・トリュショ
出版社: 大修館書店・2019年
『ことばと国家』
著者: 田中克彦
出版社: 岩波書店・1981年