フランス語圏の社会と言語
外国語学部
FFS63100
コース情報
担当教員: 佐野 彩
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 火5
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
レポート
その他
5回以上の欠席がある場合は評価の対象外(不合格)とする。
詳細情報
概要
この授業では,フランス語圏の国・地域における言語と社会について,社会言語学的観点から考えていきます。授業ではフランス語の文献や動画等を用います。 まず,世界におけるフランス語について概観した上で,ヨーロッパのフランス語圏の国・地域におけるフランス語のあり方について,言語状況,言語政策,フランス語の多様性などの観点から見ていきます。 学期の中盤では,特にフランス,スイス,イタリアの国境地域に焦点を当てます。この地域は現代では国境によって三つの国に分けられ,公的言語としてはフランス語,イタリア語,あるいはその両方が用いられています。また,「フランコプロヴァンス語」という地域の言語も使われてきました。国境の多言語地域における言語の重層的なあり方について,歴史的観点を含めて検討していきます。 そして続いて,アメリカ大陸やアフリカ大陸などのフランス語圏の国・地域におけるフランス語のあり方について見ていきます。 授業は講義を中心としますが,ディスカッションやグループワークも取り入れます。 また,毎回の授業後に,リアクションペーパーを提出していただきます。リアク ションペーパーは,授業内容についての理解・知識の確認も含みます。 そしてそれをもとに次の授業で,前回の授業内容の確認・補足とさらなる考察を行います。
目標
1)フランス語圏の国・地域におけるフランス語の様々なあり方を具体的に把握し,説明・考察できるようになる。 2)フランス語圏の国・地域における言語の重層性について理解し,説明・考察できるようになる。 3)フランス語圏におけるフランス語のあり方について理解・考察することを通して,日本やそのほかの地域における言語のあり方や,自分自身と言語の関係について見つめなおす視点を培う。
授業外の学習
【予習】(各回60分程度) ・授業のなかで指定するフランス語または日本語の文献を予習し,授業の準備をする。 ・授業で使用するスライドに目を通しておく。 【復習】(各回90分程度) ・授業の内容を振り返り,各自の関心や知識・経験に引きつけて考察し,授業の要点や気づいた点,気になった点をまとめておく。 ・各自の関心に応じて,授業中に紹介する参考文献を読む。 【レポートの準備・執筆】(時期・段階に応じて適宜) ・レポートを執筆するためのリサーチを行い,レポートを執筆する。
所要時間: 190分
スケジュール
- イントロダクション―世界の言語のなかのフランス語 ※以下は予定であり,授業の進捗状況や受講者の関心,「ヨーロッパの社会と言語B」の同時履修状況等により,各テーマの回数や順序は変更することがありうる。
- フランス語圏の国・地域におけるフランス語―概要
- フランス語圏の国・地域におけるフランス語(1)フランス
- フランス語圏の国・地域におけるフランス語(2)スイス,ベルギー,ルクセンブルク
- フランス語の多様性
- フランス,スイス,イタリアの国境地域―概要
- フランス,スイス,イタリアの国境地域(1)言語状況と言語政策の比較
- フランス,スイス,イタリアの国境地域(2)フランスのサヴォワ地方の言語と社会
- フランス,スイス,イタリアの国境地域(3)イタリアのなかのフランス語圏「ヴァッレ・ダオスタ」
- フランス,スイス,イタリアの国境地域(4)国境を越える言語運動,言語政策
- フランス語圏の国・地域におけるフランス語(3)カナダ
- フランス語圏の国・地域におけるフランス語(4)北米大陸,フランスの海外県・海外領土
- フランス語圏の国・地域におけるフランス語(5)アフリカ大陸
- フランス語圏の国・地域におけるフランス語(6)カリブ海地域 まとめ
教科書
テキストは指定しません。 適宜,関連する参考文献を紹介します。
参考書
『フランス語のはなし―もうひとつの国際共通語』
著者: ジャン=ブノワ・ナドー,ジュリー・バーロウ
出版社: 大修館書店・2008年
Manuel des francophonies
著者: Ursula Reutner (éd.)
出版社: De Gruyter, 2017
『フランコフォンの世界―コーパスが明かすフランス語の多様性』
著者: Sylvain Detey, Jacques Durand, Bernard Laks, Chantal Lyche編
出版社: 三省堂・2019年