フランス語圏研究A(歴史と文化)

外国語学部 - フランス語学科

FFS10400

コース情報

担当教員: 高橋 暁生

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 月4

形式: 対面授業

レベル: 100

アクティブラーニング: あり

他学部履修: 不可

評価方法

出席状況

10%

授業参加

10%

リアクションペーパー

20%

授業内期末試験

授業期間中

30%

その他

○必修授業なので出席状況をある程度重視する ○「授業参加」とは授業中のディスカッションへの参加の度合を指す ○「リアクション・ペーパー」は「課題リアペ」と「感想リアペ」に分けられ,評価ではその内容が問われる。 ○授業全体を通して学んだ知識の総まとめを兼ねた期末テストを課す ○「その他」とは授業内で行うグループプレゼンテーションへの評価である

30%

詳細情報

概要

フランス語学科に入学し,専攻語としてフランス語の習得を目指す以上,その言語が使用されている地域についての基本的な知識を持つことは必須です。言語とは,それを使う人々が生み出す文化,人々が継承してきた歴史や彼らが日常的に送る生活という〈コンテクスト〉と深く結びついています。言語は他者を理解し,他者に理解してもらうための手段という側面をもちますが,他者,とりわけ文化的な隔絶の大きな「外国人」との相互理解のために習得する外国語は,その言語が生み出されたコンテクストへの深い理解がなければ,むしろ大小の誤解や不信の元にすらなるでしょう。 英語で機械翻訳を使ったことのある人ならわかるでしょう。Google翻訳やDeepLの現状は,人と人の間のコミュニケーションを規定するコンテクストという必須の要素を考慮しないために,しばしばおかしな言語間の機械的な移し替えしかできません。AIが基盤とするLLM大規模言語モデルは一つの言語の「自然な」つながりを膨大なネット上のデータから学習しているので,一見機械翻訳よりも「自然な」表現を生み出しますが,やはりコンテクストを考慮することができません。対象言語について高い運用能力をもち,かつその言語が使用されるコンテクストへの知識を持つ人だけが,必要なパラメータをAIに伝え,その都度修正を施すことで,その場面に適切な言語表現を生成させることができますが,それが可能な人はおのずからAIを介さずに,自分で直接その言語を使うでしょう。 ちなみになぜ,異言語話者とその母語でやりとりすることはこんなにも楽しいのでしょう。それは,コンテクストを含んだ「理解」が瞬時に両者の間を行き交うからです。一つの言語を専門的に習得することを選んだみなさんには,この,人にしか味わうことのできない心地よさ,楽しさを感じとれるようになってほしい。この授業に限らず「フランス語圏研究」の科目群はそのために必要なことを学ぶ場です。 この授業では,フランスとフランス語圏について,時間的(歴史)・空間的(地理)な知識を獲得するとともに,やがて研究コースごとに分かれて自身の問題関心を深めていく,その出発点となるような基礎教養,スキルの習得を目指します。より具体的には,以下のようになります。 ・古代,中世から現代までのフランスの歴史について概括的な知識を提供します。 ・フランス,フランス語圏の地理について基本的な知識を獲得します。 ・今後のコースに分かれての研究のプロセスにおいても必要と思われるアカデミック・スキルズ,特にプレゼンテーションの方法についても授業の中で扱います。

目標

フランス語学科のディプロマ・ポリシーを踏まえ,この授業の到達目標は以下のようになります。 1.フランス,フランス語圏諸地域に関する時間的・空間的な知識,教養を身につけること。 2.アカデミック・スキルズを学ぶこと。 3.〈大学で学ぶこと〉の意味を理解できるようなること。

授業外の学習

1.授業内で行う複数のプレゼンテーションとディスカッションワークの準備:100分 2.各授業の前後に提出の求められる小レポート・リアクションペーパーの作成:60分 3.各授業で提供した知識が問われる期末テストの準備:30分

所要時間: 190分

スケジュール

  1. イントロダクション〜授業の目的,スケジュール,成績評価などについて説明,プレゼンのグループ分け
  2. フランスの地理〜言語的・文化的多様性
  3. 「フランス」の形成:古代,中世,近世
  4. フランス革命と近代の始まり
  5. グループ・プレゼンテーション①:共和国になったフランス
  6. グループ・プレゼンテーション②:大衆社会の宗教,社会,メディア
  7. グループ・プレゼンテーション③:植民地帝国フランス
  8. グループ・プレゼンテーション④:第一次世界大戦
  9. グループ・プレゼンテーション⑤:大戦後のフランス社会
  10. グループ・プレゼンテーション⑥:「過ぎ去らない過去」としての第二次世界大戦
  11. グループ・プレゼンテーション⑦:第四共和政と第五共和政
  12. グループ・プレゼンテーション⑧:20世紀後半のフランス人と社会
  13. グループ・プレゼンテーション⑨:非植民地化
  14. グループ・プレゼンテーション⑩:世界の中のフランス+ 期末試験

教科書

テキストは授業中に指示します。

    参考書

    書籍情報はありません。

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