通訳入門B-2

外国語学部

FES68600

コース情報

担当教員: 国井 信一

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 月2

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

30%

授業参加

25%

レポート

20%

定期試験

定期試験期間中

0%

授業内期末試験

授業期間中

15%

中間試験

授業期間中

0%

小テスト等

10%

その他

前の週のクラスで使ったテキストのシャドーイングと同時通訳の小テスト。通訳の期末テストとその通訳のパフォーマンスを分析したレポート。クラスでは学ぼうという受講者の意識が相乗効果を生みますので,遅刻せずに集まってください。また,今までの受講生を見ていて,2回休むとついてこられなくなるようですので,欠席したとしても1回で留めてくださることをお願いします。もちろん,特殊事情は例外ですので,いつでもご相談ください。期末テストのレポート未提出は単位は不可になる可能性がありますので,ご注意ください。前期で行ったことがベースとなり,それを発展させる形で授業が行われますが,前半は,後期からの参加者への特別なサポート体制を設けますので心配せずにご参加ください。

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詳細情報

概要

現場のプロの通訳を聞いていても,分かりやすい通訳と分かりにくい通訳があるのを経験したことはありますか?この原因は,ほとんどの場合「木を見て,森を見ない」通訳に陥っていることが原因です。一文単位では正確でも,パラグラフ単位の通訳では何を言っているかが不明瞭になっているからなんですね。 この課題を解決するための練習をするのが授業の目的です。パラグラフ単位で話者のメッセージを分かりやすく伝わえる通訳の視点・方法を学び,そのための訓練をします。通訳の題材は,政治,経済,社会,防衛,ライフスタイル,金融など,英語学科生が英語力に加えて持っておくといい「一流の社会人として一般常識的の内容」を扱います。 具体的な学習アプローチは主に以下に記載する5つに分かれ,解説・実践練習をくりかえしながら徐々に慣れ親しんでゆき,最後は通訳メモを取りながら,長い文章を通訳できるようになります。 1.日本語と英語の発想の順序の違いによる説明の仕方の違いの理解 まずは,大前提として,日本語と英語の話し方の根本的な発想の違いを体系的に理解します。自分たちの日本語感覚に知らずに囚われて英語を理解していることがよくあるからです。 2.スピーカーの論理構造を追いながら取った通訳メモをもとに逐次通訳する実践練習 英語的論理構造に沿った形で,大局的に英語のメッセージを掴む練習をします。英語的な情報の出てくる順序がほぼ決まっていますので,それを予想しながら聞き取る能力を強化します。その力を強化するプロセスとして,英語のスピーチの教材を使って分析力/論理力を高め,スピーチをロジカルに理解し,聞き取り,ニュアンスまで聞き手に分かりやすく逐次通訳する訓練を行います。 3.通訳メモの取り方 論理構造を追った形でメモをするとメモのパターンが決まってきて,先を読みながら立体的にメモが取れるようになります。また,単語や表現の意味とその関係を,英語で書きつけるのではなく,記号,シンボル,絵,漢字,ひらがらなどを駆使して簡略化して掴む方法を学びます。メモの具体例と記号,シンボルのリストなども配布します。 4.日本語力の強化 聞き手に分かりやすく訳出する時の日本語力も必要なので,全般的な日本語力に加えて,社会人として知っておくべき政治,経済,防衛,社会問題などで使われる用語を一緒にレビューしますので,帰国子女の方で日本語訳をしっかりと練習したいというかたにも役立つクラスです。 5.最後に,逐次・同時通訳技能と英語能力強化のための練習ツール シャドーイング,リテンション,ノートテーキングなどを紹介し,クラスでそのツールを利用して通訳力,英語力・日本語力を高めます。 実際の通訳実技の練習と指導が80%,背景知識のための解説,通訳理論の解説が20%程度です。

目標

(1)英語のロジック構造に沿った説明パターンを理解し,正確な聞き取りができる。 (2))通訳のノートテーキングができるようになる (3)論理的でニュアンスの正確な通訳ができるようになる (4)英語的に説得力をもつスピーキング力が養成され,他のクラスのディスカッションやデベートで応用できる (5)通訳として,社会人として常識的な背景知識(政治,経済,軍事,社会問題,日本の戦後の歴史など)が身につく (6)社会人として常識的な日本語の言い回しと専門用語が身につく

授業外の学習

前のクラスで学習したテキスト部分(毎回最低約2.5時間前後)のロジック構造の分析,ノートテーキング,シャドーイング,同時通訳練習などの復習と,次のクラスで使うテキスト(毎回約30分前後)ででてくる単語・表現の意味を分かるようにしてくることが宿題になります。

所要時間: 3時間10分

スケジュール

  1. Week 1 初日に教材と内容について詳しく説明します。前期学んだ英語学習法のレビューと英語聞き取り力のアセスメント(ベースライン)を実施しますので,必ず出席してください。 逐次通訳・ロジカルノートテーキング:Opening Statement(開会のあいさつ)
  2. Week 2 逐次通訳とロジカルノートテーキング練習: 1. How much involved in raising a child (子育てにどのぐらい関わりましたか?) 2. How to speak in front of a large audience(大勢の人の前で話す方法) 宿題:シャドーイング・同時通訳: 前のセッションで扱った部分
  3. Week 3 逐次通訳とロジカルノートテーキング練習: 3. How to deal with stress from work (仕事のストレスの対処方法) 4. What you want to be remembered for (どのような形で後世に名を残したいか) 宿題:シャドーイング・同時通訳: 前のセッションで扱った部分
  4. Week 4 逐次通訳とロジカルノートテーキング練習: 5. On Leadership (リーダーシップを発揮するための秘訣) 宿題:シャドーイング・同時通訳: 前のセッションで扱った部分
  5. Week 5 逐次通訳とロジカルノートテーキング練習: 6. Public Service and his motivation (公務員のモチベーションの源泉) 7. Family Diner (家族で夕食を取る時間を持っている?) 宿題:シャドーイング・同時通訳: 前のセッションで扱った部分
  6. Week 6 逐次通訳とロジカルノートテーキング練習: 8Military presence in Okinawa (沖縄に駐留する米軍は撤退すべきか) 宿題:シャドーイング・同時通訳: 前のセッションで扱った部分
  7. Week 7 逐次通訳とロジカルノートテーキング練習: 9 US Defensive Military strategy (米国の防衛的軍事戦略) 宿題:シャドーイング・同時通訳: 前のセッションで扱った部分
  8. Week 8 逐次通訳とロジカルノートテーキング練習: 11. Coupon for more consumption (消費拡大のための準現金の配布の是非) 宿題:シャドーイング・同時通訳: 前のセッションで扱った部分
  9. Week 9 逐次通訳とロジカルノートテーキング練習: 12. Financing of Small businesses (中小企業への資金援助) 宿題:シャドーイング・同時通訳: 前のセッションで扱った部分
  10. Week 10 逐次通訳とロジカルノートテーキング練習: 13. Work and Family Balance (仕事と家庭のバランス) 宿題:シャドーイング・同時通訳: 前のセッションで扱った部分
  11. Week 11 逐次通訳とロジカルノートテーキング練習: 14. Crime and Children (子供の犯罪への対応) 宿題:シャドーイング・同時通訳: 前のセッションで扱った部分
  12. Week 12 逐次通訳とロジカルノートテーキング練習: 15. Closing Statement (最後の挨拶と日本への励まし) 宿題:シャドーイング・同時通訳: 前のセッションで扱った部分
  13. Week 13 逐次通訳とロジカルノートテーキング練習: 通訳大会:いままでの箇所の逐次通訳の発表会(期末試験のリハーサルも兼ねる)
  14. Week 14期末試験: いままでの箇所すべての逐次・同時通訳の発表会 Week1から14のトピック (多いようですが,10月からしっかりと毎回勉強していれば問題なくパスできる量と内容です)

教科書

政治・社会・経済・軍事・ライフスタイルなど多岐にわたるの話題の質疑応答の英語・日本語(一問一答形式で,各答1分~2分程度のものが,30問程度)

    参考書

    書籍情報はありません。

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