社会問題の経済分析
経済学部 - 経済学科
EEC66500
コース情報
担当教員: 長江 亮
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 木2
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
リアクションペーパー
レポート
小テスト等
詳細情報
概要
いじめ(差別),肥満,選挙とフェイクニュース,貧困,結婚と離婚,出産と子育て,コロナ感染症…私たちは普段から様々な問題を見 て,聞いて,経験してきています。この講義では,今あげたような多様な問題をどのように考えるのか,可能な解決策はどのようにすべきか,といったことを事例とその問題を扱った経済学研究に基づいて解説します。最近では計量経済学の手法の発達,Big dataの利用可能性の拡大等によって,これまで経済学で扱われてこなかった領域の経済分析も進んできています。このような領域に関しては,データを使って分析する実証研究の結果は示されているけれども,理論的な理解が十分に進んでいないこともあります。この授業ではそのようなトピックも紹介します。そして,どのような解決策があるのかをみなさんに考えてもらうことを通じても,講義内容の理解とともに経済学的なものの見方を使って社会を見る眼を養います。
目標
この講義では,現実の社会問題を経済学者がどのように分析しているのか,という事例を学ぶことを通じて経済学的なものの見方で社会問題を考えることができるようになることを到達目標におきます。経済学を学ぶメリットの一つに,私たちが身近に経験してきている問題を,経済学の道具を使って考えることができるようになることが挙げられます。この能力は経済学を学ぶ上で最も重要なことであるといっても良いかも知れません。この講義を履修することで問題発見・解決能力をもたらす素養が身につきます。具体的には,問題解決に必要となる社会問題に対する経済学的な考え方が身につきます。
授業外の学習
事前に講義資料をMoodle上にアップロードします。事前学習ではその資料に目を通してきてください。この事前学習では,各回60分程度の時間をかけて疑問点を考察してください。 授業では毎回リアクションペーパーを出します。それに加えて,その回の理解を深めるために,次回までに作成してもらうクイズを出します。この学習に90分程度の時間が必要になります。また,最後には授業で取り扱った内容で自分の興味わいたテーマについて,自分で論題を立てて論じてもらう期末レポートを作成してもらいます。この準備には各回平均して40分程度の時間がかかります。 各回のクイズの答えを考えること及び授業で解説された内容に関して質の高い期末レポート作成のための準備をすることが事後学習の内容です。尚,レポートの作成法や採点基準については初回のオリエンテーション時に解説します。
所要時間: 190分
スケジュール
- オリエンテーション:講義内容の解説-経済学とは
- 差別を考える:多様な差別,無意識な差別,美人は得をする?
- 肥満の経済分析:技術革新と社会構造,肥満の何が悪い?
- 家族の経済学:家族形成の理論と応用,家族政策の効果と実際
- 男女間格差:男女差と競争的環境,LGBTQ-性のあり方と多様性
- 世代間不平等問題-Japanese Dreamは存在するか?
- 人的資本理論:稼得能力の決定要因,何がどんな力になるか?
- 格差社会と貧困:生活保護・最低賃金・移民
- 自然災害と国際協力
- メディアの影響力,SNSの功罪
- 近代経済学で考える文化と経済社会
- 向社会的行動と利他性:よりよい社会を目指して
- 障害者の生活を考える:自立から就労へ
- コロナ問題と就労-何が重要か?
教科書
本講義で使⽤する資料は,基本的には経済学の論⽂を使⽤します。教科書・書籍を使⽤する場合もありますが,各回の講義はトピックベースで⾏われるため,教科書・参考書は指定せず,講義ノートベースで授業を⾏います。
参考書
書籍情報はありません。