演習2

経済学部 - 経済学科

EEC57072

コース情報

担当教員: 近藤 広紀

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 水3, 水4

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: あり

他学部履修: 不可

評価方法

出席状況

25%

授業参加

25%

レポート

50%

その他

どうしても止むを得ない理由(それを証明するものが必要)がある場合を除き,遅刻・欠席は一切認めません。 何事も日々の積み重ねが大切です。ゼミで学んだことは必ず復習して次のゼミへ臨むように心掛けて下さい。

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詳細情報

概要

グローバリゼーションの進展に伴って,国や地域間における産業や人口の分布は急速に変化するようになっています.急速なキャッチアップを実現する国や地方があり,また,ハイテク産業や特定の産業が集積していく国や地方がある一方で,産業が空洞化し人口も流出していく国や地方もあります. こうした事態をうけて,議論される政策も両極端,つまり,保護主義的な通商政策が議論される一方で,グローバリゼーションに立ち向かうために,種々の規制を撤廃するなど国の関与を最小限にしていくような方向も議論されており,国民国家やコミュニティーが分断されていく状況が懸念されます. 春学期の演習で,こうした現象を理解するための経済学のツールを学んだのち,秋学期はこれの実証的な研究や,あるいは応用研究,つまり,国や地方の政策の効果を検証し,そのあり方について議論したいと思います.以下はその例となります. ・新しい経済地理モデルに基づく企業や人口移動と,それに伴う地域間・国際間分業の,理論的・実証的分析 ・公共インフラや,公共サービスが,企業や人口の移動と,地域間分業のあり方にどのようなインパクトを与えるか ・通商政策・産業政策は,都市や地方の産業にどのような影響を与えるか ・グローバリゼーションがもたらす格差と,再分配政策などの社会保障政策の役割 ・交通セクターの分析,そこにおける公的部門の役割 ・地方分権の経済効果の分析

目標

国や地域間の分業や,都市・地方の分化が決定されていくプロセスを,基本的な経済学の分析ツールを自らの力で論理的に組み合わせて説明できるようになること.その上で,国や地域が行う様々な政策が,地域間の分業や人々の経済厚生にどのような影響を与えるのかを説明し,あるべき国や地方の政策について説明できるようになること.

授業外の学習

1. これまでの授業でまなんだことのうち,関連する部分について復習しておくことが必要となる.目安として週あたりに均すと1時間半程度. 2. 文献の購読に,目安として,週あたりで均すと最低でも1時間半程度. 3. プレゼンテーションがある場合には,その準備(資料作成やプレゼンの練習など)に目安として最低3時間程度.

所要時間: 上記の合計で最低でも190分程度

スケジュール

  1. イントロダクション:ゼミの進め方について+秋学期前半に各々がよむ文献の決定 以降の授業は,購読・発表・ディスカッションが一巡してから,自身のレポートを順番に発表してもらうという流れとなるが,回数や内容は,ゼミ生各々が選択したテーマや,前提となる知識の習得に要する時間や難易度によって,変動する場合があり,以下は目安となる.
  2. 文献の購読,発表,議論1
  3. 文献の購読,発表,議論2
  4. 文献の購読,発表,議論3
  5. 自身のレポートの発表1
  6. 自身のレポートの発表2
  7. 自身のレポートの発表3
  8. 秋学期後半に各々がよむ文献の決定
  9. 文献の購読,発表,議論4
  10. 文献の購読,発表,議論5
  11. 文献の購読,発表,議論6
  12. 自身のレポートの最終発表1
  13. 自身のレポートの最終発表2
  14. 自身のレポートの最終発表3

教科書

ゼミで読む文献は,難易度,カバーする範囲,および刊行された時期等と,ゼミ生の関心や前提知識とを勘案して決めたいと考えるが,さしあたり以下を基本的な理論を学ぶ上で標準的に用いる教科書として指定したい.

  • クルーグマン国際経済学 理論と政策 原書第10版 上:貿易編

    著者: クルーグマン,オプストフェルド,メリッツ(著) 山形浩生,守岡桜(訳)

    出版社: 丸善出版 2017

  • 年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学

    著者: エンリコ・モレッティ(著) 安田洋祐, 池村千秋 (訳)

    出版社: プレジデント社 2014

参考書

ゼミで読む文献は,難易度,カバーする範囲,および刊行された時期等と,ゼミ生の関心や前提知識とを勘案して決めたいと考えるが,さしあたり以下を基本的な理論を理解し,また現在の社会や経済を理解するための文献として指定したい.必要に応じて雑誌記事も用いるが具体的文献は授業中に指示する.

  • 貿易戦争の政治経済学:資本主義を再構築する

    著者: ダニ・ロドリック (著), 岩本 正明 (訳)

    出版社: 白水社 2019

  • An Introduction to Geographical and Urban Economics: A Spiky World

    著者: Steven Brakman, Harry Garretsen, Charles van Marrewijk

    出版社: Cambridge University Press 2019

  • 空間経済学

    著者: 曽道智 高塚創

    出版社: 東洋経済新報社 2016

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