演習1
経済学部 - 経済学科
EEC57071
コース情報
担当教員: 近藤 広紀
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 水3, 水4
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 不可
評価方法
出席状況
授業参加
レポート
その他
どうしても止むを得ない理由(それを証明するものが必要)がある場合を除き,遅刻・欠席は一切認めません。 何事も日々の積み重ねが大切です。ゼミで学んだことは必ず復習して次のゼミへ臨むように心掛けて下さい。
詳細情報
概要
グローバリゼーションの進展に伴って,国や地域間における産業や人口の分布は急速に変化するようになっています.急速なキャッチアップを実現する国や地方があり,また,ハイテク産業や特定の産業が集積していく国や地方がある一方で,産業が空洞化し人口も流出していく国や地方もあります. こうした事態をうけて,議論される政策も両極端,つまり,保護主義的な通商政策が議論される一方で,グローバリゼーションに立ち向かうために,種々の規制を撤廃するなど国の関与を最小限にしていくような方向も議論されており,国民国家やコミュニティーが分断されていく状況が懸念されます. 春学期の演習では,こうした現象を理解するための基礎となる経済学のツールを学びます。具体的には,国際経済学や地域経済学,都市経済学について学びます(主に4年生が,3年生に理解できるようなプレゼンを行えることを目標としたいが,適宜教員が解説).あわせて,グローバリゼーション下の経済や社会を理解し,政策の在り方を議論するための文献についても学びます(主に3年生がプレゼンを行い,適宜4年生と教員がコメント).こうして得た知識をもとに,秋学期の演習に繋げます(あらかじめ秋学期の演習のシラバスも読んでおくこと).
目標
国や地域間の分業や,都市・地方の分化が決定されていくプロセスを,基本的な経済学の分析ツールを自らの力で論理的に組み合わせて説明できるようになること.その上で,国や地域が行う様々な政策が,地域間の分業や人々の経済厚生にどのような影響を与えるのかを説明し,あるべき国や地方の政策について説明できるようになること.
授業外の学習
1. これまでの授業でまなんだことのうち,関連する部分について復習しておくことが必要となる.目安として週あたりに均すと1時間半程度. 2. 文献の購読に,目安として,週あたりで均すと最低でも1時間半程度. 3. プレゼンテーションがある場合には,その準備(資料作成やプレゼンの練習など)に目安として最低3時間程度.
所要時間: 上記の合計で最低でも190分程度
スケジュール
- イントロダクション:ゼミの進め方について+秋学期前半によむ文献と発表箇所の決定
- 文献の購読,発表,議論1: 4年次:国際貿易の標準モデル1 3年次:グローバリゼーション下の社会経済を理解するための文献1-1
- 文献の購読,発表,議論2 4年次:国際貿易の標準モデル2 3年次:グローバリゼーション下の社会経済を理解するための文献1-2
- 文献の購読,発表,議論3 4年次:国際貿易:規模の経済や外部性 3年次:グローバリゼーション下の社会経済を理解するための文献1-3
- 文献の購読,発表,議論4 4年次:国際貿易:産業内貿易 3年次:グローバリゼーション下の社会経済を理解するための文献1-4
- 文献の購読,発表,議論5 4年次:国際貿易:産業内貿易,直接投資,アウトソーシング等 3年次:グローバリゼーション下の社会経済を理解するための文献1-5
- これまでのまとめと秋学期後半に読む文献と発表箇所の決定
- 文献の購読,発表,議論6: 4年次:経済地理学・都市経済学:産業内貿易復習 3年次:グローバリゼーション下の社会経済を理解するための文献2-1
- 文献の購読,発表,議論7: 4年次:経済地理学・都市経済学:集積モデル(中心周辺モデル)1 3年次:グローバリゼーション下の社会経済を理解するための文献2-2
- 文献の購読,発表,議論8: 4年次:経済地理学・都市経済学:集積モデル(中心周辺モデル)2 3年次:グローバリゼーション下の社会経済を理解するための文献2-3
- 文献の購読,発表,議論9: 4年次:経済地理学・都市経済学:集積モデル(投入産出構造モデル)1 3年次:グローバリゼーション下の社会経済を理解するための文献2-4
- 文献の購読,発表,議論10: 4年次:経済地理学・都市経済学:集積モデル(投入産出構造モデル)2 3年次:グローバリゼーション下の社会経済を理解するための文献2-5
- 文献の購読,発表,議論11: 4年次:経済地理学・都市経済学:ゼミ生の興味関心に応じた交通経済,都市内土地利用モデルなど 3年次:グローバリゼーション下の社会経済を理解するための文献2-6
- 今後の計画について
教科書
ゼミで読む文献は,難易度,カバーする範囲,および刊行された時期等と,ゼミ生の関心や前提知識とを勘案して決めたいと考えるが,さしあたり以下を基本的な理論を学ぶ上で標準的に用いる教科書として指定したい.
クルーグマン国際経済学 理論と政策 原書第10版 上:貿易編
著者: クルーグマン,オプストフェルド,メリッツ(著) 山形浩生,守岡桜(訳)
出版社: 丸善出版 2017
年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学
著者: エンリコ・モレッティ(著) 安田洋祐, 池村千秋 (訳)
出版社: プレジデント社 2014
参考書
ゼミで読む文献は,難易度,カバーする範囲,および刊行された時期等と,ゼミ生の関心や前提知識とを勘案して決めたいと考えるが,さしあたり以下を基本的な理論を理解し,また現在の社会や経済を理解するための文献として指定したい.必要に応じて雑誌記事も用いるが具体的文献は授業中に指示する.
貿易戦争の政治経済学:資本主義を再構築する
著者: ダニ・ロドリック (著), 岩本 正明 (訳)
出版社: 白水社 2019
An Introduction to Geographical and Urban Economics: A Spiky World
著者: Steven Brakman, Harry Garretsen, Charles van Marrewijk
出版社: Cambridge University Press 2019
空間経済学
著者: 曽道智 高塚創
出版社: 東洋経済新報社 2016