応用ゲーム理論
経済学部 - 経済学科
EEC55600
コース情報
担当教員: 釜賀 浩平
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 木5
形式: オンデマンド授業
レベル: 200
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
定期試験
定期試験期間中
詳細情報
概要
経済学科科目「Game Theory」に引き続き,ゲーム理論について講義します.Game Theoryで講義した内容(戦略形/展開形ゲームの基礎)を前提としますが,手短に振り返る時間は設けます. この講義では,不完全情報・不完備情報の非協力ゲーム(展開形ゲーム)と協力ゲーム理論について講義をします.不完全情報の展開形ゲームとは,先行するプレイヤーがどの行動を選択したのか観察できない状況を分析する枠組みで,不完備情報の非協力ゲーム(展開形ゲーム)とは,戦略的相互依存の状況にある相手のタイプ(例:どんな利得を得るのか?)が分からない状況,すなわち,プレイヤーが置かれている状況理解(情報)に非対称性が存在する場合に,人々がどのような行動をとるのか説明する枠組みです.協力ゲーム理論は,人々の協力を前提として,人々がどのような提携を形成し,提携により生まれた利益がどのように分配されるのかを明らかにする理論です. 非対称情報と逆選択,シグナリングによる逆選択の解消,公正な利益分配とその安定性,投票力指数,などの応用例を中心に理論を学びます.
目標
不完備情報と戦略的相互依存とは何かを理解し,不完備情報および戦略的相互依存の下で人々がとる行動を説明できるようになる.提携形成における安定性と利益分配とは何かを理解し,どのような提携が安定的に形成されるのか説明できるようになる.不完備情報下の戦略的相互依存および提携形成問題に関して,自分の関心がある社会現象をゲーム理論で表現し説明をつけられるようになる.
授業外の学習
参考書の該当箇所を予習し,講義内容の復習を行う.(毎週1−2時間)
所要時間: 200分
スケジュール
- 不完全情報・不完備情報の非協力ゲーム理論と協力ゲーム理論とは
- 戦略形ゲームと展開形ゲームのおさらい (1) ナッシュ均衡と部分ゲーム完全均衡
- 戦略形ゲームと展開形ゲームのおさらい (2) 完全情報の展開形ゲームと部分ゲーム完全均衡
- 不完全情報の展開形ゲーム (1) 情報集合
- 不完全情報の展開形ゲーム (2) 不完全情報の展開形ゲームと部分ゲーム完全均衡
- 不完備情報の展開形ゲーム (1) 不完備情報の展開形ゲームとは
- 不完備情報の展開形ゲーム (2) 完全ベイズ均衡
- 不完備情報の展開形ゲーム (3) 情報の非対称性と逆選択
- 不完備情報の展開形ゲーム (4) シグナリングと分離均衡
- 不完備情報の展開形ゲーム (5) ベイズルールと信念の整合性
- 協力ゲーム (1) 提携形成と特性関数
- 協力ゲーム (2) 提携形成の安定性とコア
- 協力ゲーム (3) 限界貢献度とシャプレー値
- 協力ゲーム (4) シャプレー・シュービック投票力指数
教科書
テキストは特に指定しない.
参考書
テキストは特に指定しないが,以下を参考書として挙げる.しっかり学習したい人には購入をすすめます.
『ゼミナール ゲーム理論入門』
著者: 渡辺隆裕
出版社: 日本経済新聞出版社・2008年
『ゲーム理論』(第3版)
著者: 岡田章
出版社: 有斐閣・2021年