ミクロ経済学C

経済学部 - 経済学科

EEC50901

コース情報

担当教員: 釜賀 浩平

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 木5

形式: オンデマンド授業

レベル: 200

アクティブラーニング: なし

他学部履修:

評価方法

定期試験

定期試験期間中

100%

詳細情報

概要

ミクロ経済学A・Bで学んだ内容を基礎として,初級および中級レベルのミクロ経済学について講義します.経済学の目的は,(主に市場取引によって)世の中で生じる経済現象(例:どんな取引量が生じ,どんな価格がつくのか)の発生の仕組みを説明すること,また,生じる経済現象が社会にとって望ましいものか評価を下し,望ましくないと評価される場合にはどのような制度的補正が必要になるのかを明らかにすることです.こうした説明を与えるために,経済学は数理モデルを用いて経済の仕組みを組み上げて分析を行います.ミクロ経済学Cでは,市場メカニズムとその補正や,マーケットデザインを中心に,ミクロ経済学A・Bでカバーできていない新しい内容について講義します.具体的には,需要と供給のぶつかり合いの結果としてどのような取引が行われることになるのか説明し,また,その結果が世の中にとって望ましいのかどうか評価する方法を学びます(市場均衡).ここまでの説明は完全競争市場と呼ばれるある種の理想状態を念頭に行いますが,次に,完全競争市場に対する分析を参照点としながら,完全競争市場ではない現実の様々な市場形態に対して説明を拡張するすることを学びます(不完全競争市場).その次に,市場間の相互連関を考慮した市場均衡の分析(一般均衡)を学び,厚生経済学の基本定理と呼ばれるミクロ経済学の重要な知見を学びます.最後に,市場を通じた取引ができない財(例:移植用の臓器)の配分はどのように行えばいいのか,市場の代替となるメカニズムの設計について学びます(マーケット・デザイン).

目標

モデル分析によるミクロ経済学の理解を深める.モデル分析を基礎として,(ミクロ)経済学が社会現象をいかに可能な限り科学的に説明しようとしているのか理解する.論理的思考を深める.

授業外の学習

参考書の該当箇所を予習し,講義内容の復習を行う.

所要時間: 200分

スケジュール

  1. ガイダンス
  2. 市場均衡 (1) 部分均衡と調整過程
  3. 市場均衡 (2) 部分均衡と余剰の意味
  4. 市場均衡 (3) 従量税の部分均衡分析
  5. 市場均衡 (4) 従価税の部分均衡分析
  6. 不完全競争市場 (1) 独占市場
  7. 不完全競争市場 (2) 複占市場
  8. 一般均衡 (1) 一般均衡分析とワルラス均衡
  9. 一般均衡 (2) エッジワース・ボックス
  10. 一般均衡 (3) 厚生経済学の基本定理
  11. マーケット・デザイン (1) 非分割財の配分とTTCアルゴリズム
  12. マーケット・デザイン (2) TTCアルゴリズムと強コア
  13. マーケット・デザイン (3) マッチングとDAアルゴリズム
  14. マーケット・デザイン (4) DAアルゴリズムの安定性・片側耐戦略性・効率性

教科書

教科書は時に指定しない.

    参考書

    テキストは特に指定しないが,以下を参考書として挙げる.しっかり学習したい人には購入をすすめます.

    • 『ミクロ経済学』

      著者: 奥野正寛 編著

      出版社: 東京大学出版会・2008年

    • 『ミクロ経済学の力』

      著者: 神取道宏

      出版社: 日本評論社・2014年

    • 『マーケットデザインー最先端の実用的な経済学』

      著者: 坂井豊貴

      出版社: 筑摩書房・2013年

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