東南アジア史(近現代)
総合グローバル学部 - 総合グローバル学科(教授言語:日本語)
BGS61600
コース情報
担当教員: 櫻田 智恵
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 火1
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
レポート
その他
授業の前半で提出する書評レポートは,正しく内容をまとめているか,建設的な批評ができているかという点に加え,引用等は正しくできているか等のレポートとして形式についても採点基準とします。初回の授業で詳しく説明します。
詳細情報
概要
近年,東南アジア諸国は身近な存在になっています。観光旅行やビジネスを通じた交流はもちろん,日本に居住する留学生や技能実習生,移民の人々も増加傾向にあります。 しかし,こうした人的交流が増えたとは言え,東南アジアの歴史や文化について「わかりにくい」という印象を持つ人が多いのではないでしょうか。それは,東南アジアという地域が比較的新しく成立した地域であり,内実が多様だからだと言えます。 では,「東南アジア」というまとまりには,一体どのような意味があるのでしょうか。 現在の各国を形作る文化背景や価値観は,どのように形成されたのでしょうか?そして,日本はどのように関わってきたのでしょうか? この授業では,世界情勢との相関から東南アジアを見ることで,その基層となる社会や文化が如何に形成されてきたのか,そしてそれが現在の政治や社会のあり方にどのように繋がっているのかについて考えます。
目標
1.東南アジアについて,関心のあるテーマを見つける 2.文化や社会によって人々の価値観や生活実践が異なることを理解する 3.世界情勢(巨視 的)と地域固有の社会背景(微視的)という両視点から事象を捉えることができるようになる
授業外の学習
・各回にリアクションペーパーを書いてもらい,Moodle上で提出してもらいます。授業時間内に書くことができる分量を想定しています。 ・授業中に扱った事例について,ドキュメンタリーなどの映像資料なども積極的に紹介します。それらにも関心を払ってみてください。 ・授業の前半では,課題図書を読んで書評レポートを書いて提出してもらいます。その知識を前提として授業が展開されますので,課題図書を自分で読むという予習は必須になります。
所要時間: 190分
スケジュール
- 多様で新しい地域「東南アジア」(レポートの書き方等についても説明します) ※受講生の関心に応じて,授業内容を変更する可能性があります
- 前近代から近代へ(1):「クニ」の概念から,植民地支配による「国家」建設へ
- 前近代から近代へ(2):価値観の変化への対応
- 「国民」の創出:多民族・多文化の統合と排除 ※書評レポートの提出(初回授業で詳しく説明します)
- 第二次世界大戦前夜(1):ナショナリズムの高まり
- 第二次世界大戦前夜(2):世界恐慌の影響と日本軍の「南進」
- 第二次世界大戦とその後:日本軍政の影響
- 冷戦の要としての東南アジア(1):タイ,フィリピン,インドネシア,マレーシア
- 冷戦の要としての東南アジア(2):ミャンマー,ラオス,ベトナム,カンボジア
- 新しい国家の誕生:シンガポール,ブルネイ,東ティモール
- ASEANの設立とその意義:「東南アジア」とは何か?
- ゲストスピーカーによる特別講義「教育とジェンダー(仮)」
- 民主主義か権威主義か(2):政治とマス・メディアとの関係
- 「東南アジア」の実像とこれから:期末レポートの返却,総評
教科書
教科書は指定せず,必要資料はMoodleで事前に配布します
参考書
指定の教科書は用いませんが,参考となる基本的な書籍は以下の通りです
『はじめての東南アジア政治』
著者: 増原綾子,鈴木絢女,片岡樹,宮脇聡史,古屋博子
出版社: 有斐閣. 2018年.
『教養の東南アジア現代史』
著者: 川中豪, 川村 晃一 (編著)
出版社: ミネルヴァ書房. 2020年.