市民社会論概説A
総合グローバル学部 - 総合グローバル学科(教授言語:日本語)
BGS60700
コース情報
担当教員: 稲葉 奈々子
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 火2
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 不可
評価方法
レポート
50%
小テスト等
50%
その他
なし
0%
詳細情報
概要
市民社会を考える上での基本概念を,市民社会論の代表的な議論を参照しながら学んでいく。「市民社会」とは何かという基礎的な知識を身につけるとともに,その上で,一見,普遍的で抽象的な概念であるように思われる市民社会論が,近代国民国家の上に成り立ち,欧米の政治文化,さらにはミドルクラスの男性を前提としていることを,ポストコロニアリズムの議論を参照し,市民社会論をグローバリゼーションによって変容した社会に適合した形で批判的に理解できる基礎的な力を身につける。
目標
市民社会論の基本概念を理解し,さらにこれらの概念がグローバル化した社会において直面する限界を,批判的に検討できるようにする。授業では市民社会論の基礎を身につけた上で,具体的な社会運動やNGO,NPOの取り組みの事例を紹介しながらグローバリゼーションによって市民社会が迫られている変容を,日本の現実に即して理解できるようにする。
授業外の学習
授業中に不定期に課題を課します。関連するテキストは授業中に紹介しますので,準備の上,課題に臨んでください。毎回,次の授業の準備のためのテキスト講読に95分,授業後にさらに理解を深めるためのテキスト講読および授業についての質問やコメント作成に95分を要します。
所要時間: 190分
スケジュール
- イントロダクション:市民社会論の基礎知識1(市民社会と国家と市場経済の関係を理解する)
- 市民社会論の基礎知識2:市民社会論とは何についての学問なのか
- 市民社会論の基礎知識3:社会の成立(異なる考え方の人たちが,なぜひとつの社会を形成できるのか)
- 市民社会論の基礎知識4:社会の成立(複雑な社会を統治する方法としての社会的分業)
- 市民社会論の基礎知識5:社会の成立(複雑な社会を統治する方法としての官僚制)
- 市民社会論の基礎知識6:グローバリゼーションと社会(マクドナルドとロックフォールチーズ―グローバル化する企業の活動と市民社会)
- 市民社会とグローバリゼーションに関する事例検討(マクドナルドを解体するフランスの農民)
- 市民社会論の基礎知識7:社会科学における人間
- 市民社会論の基礎的知識8:経済現象のなかの人間
- 市民社会とグローバリゼーションに関する事例検討(国境を越える社会運動)
- 市民社会とグローバリゼーションに関する事例検討(ラテンアメリカの植民地化)
- 市民社会とグローバリゼーションに関する事例検討(メキシコのサパティスタ民族解放軍)
- 市民社会とグローバリゼーションに関する事例検討(コチャバンバ水戦争からの検討)
- レポート執筆に向けて,中間提出課題へのフィードバック
教科書
授業中に紹介します。
参考書
再帰的近代化
著者: ウルリヒ・ベック他
出版社: 而立書房,1997年
近代とはいかなる時代か
著者: アンソニー・ギデンズ
出版社: 而立書房,1993年