東南アジア研究概説A
総合グローバル学部 - 総合グローバル学科(教授言語:日本語)
BGS60000
コース情報
担当教員: 久志本 裕子
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 月3
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
授業参加
リアクションペーパー
レポート
小テスト等
その他
授業参加は,予習およびそれに基づく活動の際に記入したワークシートの提出とMoodle上でのディスカッションへの参加等によって評価されます。提出しないと成績が付きませんので,毎週必ず提出するものがあると意識していてください。
詳細情報
概要
この講義では,東南アジアの様々な地域の歴史と現代における具体的事象を通じて,「グローバル」を考えるうえで不可欠な概念としての「国家」「民族・人種」「宗教」「文化」とは何かを考えていきます。 受講生のみなさんは,東南アジアの様々な国や地域と多様なトピック(政治や経済,貧困,開発,国際関係など)に関心を持っていると思います。限られた講義の時間内では,すべての地域,トピックに直接的に触れることはあまりできませんが,期末レポートに向けた研究(ミニプレゼンテーション,第14週のプレゼンテーションを経て仕上げていきます)では,授業内容を踏まえたうえで各自の関心に沿って東南アジアに関するテーマを選ぶことができます。各自の研究テーマについて考える際に,本講義を通じて考えた「国」「民族」といった概念を踏まえて,各自の選んだ分野の先行研究においてはこれらの概念がどのように扱われているのか,自分はどのような立場で今後の研究を進めていきたいのかを考えてもらいたいと思います。それが最終レポートの課題となり,最後の授業ではレポートの案をグループ内で発表してもらいます。 授業では小グループでのディスカッションや毎回のリフレクション(リアクションペーパーに自分の考えたことを記載)など,アクティブラーニングを多用します。自分で調べ,考える作業の中で,東南アジアの中で最も惹きつけられる地域を見つけていってもらいたいと思います。ぜひ授業が始まる前から,東南アジアにアンテナを張って,旅行に行くならどこに行きたいか,最近のニュースと言えば何があるかなど,探ってみてください。
目標
1) 多様な人々が共存する東南アジアの現実を具体的にイメージすることができる。 2)東南アジアの具体例を踏まえて,「国家」「民族・人種」「宗教」「文化」等の重要概念を,その問題性や限界を理解したうえで使う際に注意することができる。 3) 東南アジアの「ローカル」な場から,自分の社会や生き方に通じる「グローバル」な問題について考える「私の地域研究」をイメージすることができる。
授業外の学習
毎回Moodle上で教材を共有しますので,必ず確認してください。文章あるいは動画の事前学習教材の学習,動画講義の視聴,リアクションペーパーの記入など,毎週約1~1.5時間程度の学習が必須です(かかる時間には個人差があると思いますが,1単位の取得に必要な学習時間の基準とされている分量の課題です)。また,日常生活の中でも東南アジアの料理を食べる,映画を見る,旅行を計画するなど,授業時間外でも東南アジアになんらかの形で触れてみてください。
所要時間: 190分
スケジュール
- 東南アジアから考える―地域とは?国とは?
- 東南アジアを旅する―世界遺産と日常の風景
- 食と観光から考える―「文化」とは何か
- 各国の民族・宗教分布をみる―「民族」「宗教」とは何か
- 東南アジアの時事問題①―ニュースをフォローしてみよう
- 東南アジアの時事問題②-ニュースをどう見るか
- ミニプレゼンテーション:問いを立てて文献を読んでみよう
- 「国」以前の東南アジアのつながり―イスラームを例に
- 植民地分割-「国」と「民族」の枠組みの形成
- 日本占領期の東南アジア―各国で教えられる「歴史」
- 独立後の国家の形成-ナショナリズムを考える
- 「国家」,法と開発協力―ミャンマーの事例から
- 「国」「民族」と排他主義-ロヒンギャ難民の問題から
- 「グローバル」を考える東南アジア地域研究,グループ内プレゼンテーション
教科書
予習等に使用する文献はmoodleで共有しますが,講義の中で自分の専門とする地域を決めて明石書店の「エリアスタディーズ」シリーズの『〇〇を知るための~章』を購入してもらいたいと思います。当面,東南アジア全体を扱ったものを参考書に示します。ブルネイを除く東南アジア各国について出版されています。図書館の電子書籍でも一部入手可能です。
参考書
『東南アジアを知るための50章』
著者: 今井昭夫・東京外国語大学東南アジア課程(編)
出版社: 明石書店 2014年
『東南アジアのイスラームを知るための64章』
著者: 久志本裕子・野中葉(編著)
出版社: 明石書店 2023年