東北アジア社会論

総合グローバル学部 - 総合グローバル学科(教授言語:日本語)

BGS59200

コース情報

担当教員: 権 香淑

単位数: 2

年度: 2024

学期: 3クォーター

曜限: 火2, 金2

形式: 対面授業+オンライン授業(オンデマンド授業,同時双方向型授業(Zoomなど)) /Alternating face-to-face & A

レベル: 300

アクティブラーニング: なし

他学部履修:

評価方法

リアクションペーパー

10%

授業内期末試験

授業期間中

50%

中間試験

授業期間中

30%

小テスト等

10%

その他

授業期間中の中間および期末試験については,レポート課題(読書レポート_1000字および期末レポート_2000字)に代替する場合がある。詳細については,初回のガイダンスにおいて言及する。

0%

詳細情報

概要

本講義では,東北アジアをめぐる近現代史の展開のなかで生み出されたコリアン・ディアスポラ,すなわち19世紀末の列強による侵略,日本による植民地支配,さらに南北分断と冷戦体制,そして現代のグローバル化にいたるなかで,朝鮮半島から日本,中国,旧ソ連の中央アジア諸国などに離散した人々とその子孫たちをめぐる状況を取り上げて論じる。前半では,朝鮮半島から中国・ロシアへの移動,朝鮮半島および日本への再移動,さらにはそれらが交差する歴史的プロセスに言及しつつ理論的視座から学び,後半では,とりわけ顕著な移動性が認められる中国朝鮮族の事例を通して,実態的な把握を目指す。流転の歴史に伴う人々のありようを考察することは,エスニック集団の形成および現状を浮き彫りにすると同時に,この地域の総体的な把握に向けた第一歩にもなるだろう。

目標

1. 東北アジアをめぐる地域的な特性について説明することができる。 2. コリアン・ディアスポラの形成と背景について基礎知識を修得する。 3. 中国朝鮮族の移動性をめぐる社会的,歴史的背景および現状について,理解を深める。

授業外の学習

毎回の授業までに指定したリーディングや課題をこなすことが求められる。また予習・復習として出される課題については,ガイダンスで説明する「取り組み方」に沿うことが必須となるため,初回時は必ず出席すること。

所要時間: 授業 1 回あたり 190 分以上の予習,復習が求められる。

スケジュール

  1. イントロダクション:講義全体の計画,成績評価の基準,履修上の留意点など説明 ※授業の進捗状況によってテーマごとの回数を変更することがありうる
  2. 東北アジアにおけるグローバル化とその問題群:特殊性と重層性
  3. トランスナショナルな現象とエスニシティ:ディアスポラの形成を踏まえて
  4. エスニシティをめぐる諸問題と理論的視座(1):人・移動・ネットワーク
  5. エスニシティをめぐる諸問題と理論的視座(2):グローバル・アプローチ
  6. エスニシティをめぐる諸問題と理論的視座(3):トランスナショナリズムと跨境化
  7. 小括:ディアスポラ研究の現状と課題
  8. 中国朝鮮族の移動から捉える中朝関係:北朝鮮華僑との対比から
  9. 韓国社会における中国朝鮮族:外国人労働者/同胞の移住過程
  10. 在日中国朝鮮族の形成過程:日本をめぐる移動
  11. 日中韓における「拠点形成としての定住化」
  12. 中国朝鮮族の跨境的生活:家族・親族ネットワーク
  13. 帰郷と民俗文化:「生きるための工夫」
  14. 総括:国境をまたぐ「小さな民」と諸課題

教科書

ガイダンスで示す各講義の予習課題(Moodle上でも明示)を事前に購読して,各回の授業に参加することが求められる。

  • 『〔増補新版〕移動する朝鮮族:エスニック・マイノリティの自己統治』

    著者: 権香淑

    出版社: 彩流社,2019年

  • 『中国朝鮮族の移動と東アジア:元日本留学生の軌跡を辿る』

    著者: 権香淑・宮島美花編

    出版社: 彩流社,2020年

参考書

  • 『コリアン・ディアスポラと東アジア社会』

    著者: 松田素二・鄭根埴編

    出版社: 京都大学出版会,2013年

© 2025 上智非公式シラバス. All rights reserved.