演習(アジア研究D)1
総合グローバル学部 - 総合グローバル学科(教授言語:日本語)
BGS57636
コース情報
担当教員: 久志本 裕子
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 月4
形式: 対面授業
レベル: 400
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 不可
評価方法
出席状況
授業参加
その他
その他は,春学期には全員口頭発表と映像作品の提出,秋学期は4年生はプレゼンテーションのみ,3年生はプレゼンテーションとレポートとします。授業参加は提出物と授業時間外での活動状況で評価します。
詳細情報
概要
東南アジアの事例を中心に,異なる文化,宗教,言語,障がいなどを持つ人々が,相互理解や共生を目指す上で生じる様々な現象および問題について,対象社会の人々の視点を重視して考えることをゼミのテーマとします。 2024年度については,「対象地域の社会や文化を「見る・描く」ことの難しさを考える」をテーマにして,動画や写真,文章など異なるメディアで対象地域を描いたものを読み,また自分でも短いドキュメンタリー映像の作成に挑戦することで,偏見なく「真の」姿を伝えることなどできるのか,もしそうでないなら描く「私」と描かれる「対象」の関係をどのように考えて地域を理解し,描いていけばよいのか,といったことを議論していきたいと思います。 卒論のトピックをゼミで学んだ内容に限る必要はありません。ゼミ活動として,一つのトピックに焦点を当てることで,教育,宗教,民族間関係といった各自の関心に合わせた「地域研究」を考える練習にできればと考えています。秋学期には,地域,テーマを絞ったグループで研究を行い,秋学期の終わりには,一年間の研究の成果をSNSやゼミ外に向けた研究報告会等の形で発表することを目指します。 具体的な進め方については,履修性と相談して決めたいと思います(必ずしも下に書いてある予定通りではない場合があります)。新3年生が主体となってやりたいことをどんどん提案してください。 卒論に向けた個人の研究テーマとしては,東南アジアの特定の社会を理解することを目指すもの(例えば,ジャワにおける宗教儀礼)でも,異なる集団間の関係(例えば,タイのムスリム―仏教徒関係)に着目するものでも,あるいは東南アジア域外における東南アジア関連のテーマ(例えば,日本における東南アジア・ムスリム観光客の受け入れ)でも構いません。ゼミで学習を始めた後に,考えが変わって東南アジアと共通しながらもそれを超えるようなテーマ(日本における外国籍住民との共生など)を選ぶ,ということがあっても問題はありません。いずれの場合でも,研究対象とする人々と,できれば対面で,少なくともインターネットを介して,直接コミュニケーションする機会を持つようにしてください。 ゼミにおいてもオンラインや対面で東南アジアの学生をはじめとする人々との交流をできるだけ多く取り入れる予定ですので,こうした機会を積極的に活かしてもらいたいです。基本的に英語ですが,あまり得意でなくても参加への熱意があれば大丈夫です。
目標
1)自分にとっての「地域研究」とは何かを深く考え,「開発/発展」「排除/包摂」「教育」「共生」など普遍的な問題意識を地域から考える意識を持つ。 2)対象社会について理解を深めるための資料を収集し,対象と自分の関係を十分に考えながら発見をまとめ,表現することができる。 3)「調査対象の人々の視点」から考える姿勢とその難しさを実感する。 4)他の学生と協力し,自分の考えを他人に説明したり,異なる視点からの意見を積極的に取り入れたりしながら研究を進めることができる。
授業外の学習
ゼミへの出席は必須です。また,資料の読解などの事前・事後の学習,インタビュー等のデータ収集など,授業時間外に行う課題が毎週ありますので,必ず余裕をもって時間を確保しておいてください。 休暇を利用したフィールドワーク,インタビュー等の実施を奨励します。 授業時間外にも,他のゼミ生と研究テーマやグループワークについて話し合う時間を自主的に作ってください。
所要時間: 190分
スケジュール
- アイスブレイキング・自分と研究対象(地域)の関係を考える
- 文献購読 対象地域とその社会・文化を描くということ
- 東南アジアの描かれ方(1) 日本のメディアから
- 東南アジアの描かれ方(2) 東南アジアと世界の英語メディアから/対象地域と問題の発見
- 質的研究とフィールドワーク,映像による描き方
- 地域別グループでの文献購読(1)
- 地域別グループでの文献購読(2)
- 各自のテーマと調査計画の発表
- 地域別グループでの調査状況報告と議論(1)調査地とインフォーマントの決定
- 地域別グループでの調査状況報告と議論(2)インフォーマントとの交流,テーマ決定
- 映像作成計画の報告(各グループ内)
- 映像作成状況の報告と議論(1)
- 映像作成状況の報告と議論(2)
- 映像作品の合評会
教科書
授業時に相談します。
参考書
質的社会調査の方法
著者: 岸正彦・石岡丈昇・丸山里美
出版社: 有斐閣ストゥディア 2016