民衆イスラーム論
総合グローバル学部 - 総合グローバル学科(教授言語:日本語)
BGS56600
コース情報
担当教員: 赤堀 雅幸
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 水3
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
レポート
小テスト等
その他
民衆イスラームに関連した著作を読み,これを批判的に検討した書評レポート(3,000字)を学期末に提出する(50%)。その練習として,文献表作成1回(10%)と指定された関連分野の論文に関するレビュー・レポート(1,000字)を1回提出する(10%)。また,各回授業後小テスト10回(各回5問,評価2%),授業時間中のリアクションペーパー2回(各回5%)を課す。
詳細情報
概要
紛争と暴力に偏った報道の陰で,ともすると見過ごされがちなムスリム(イスラーム教徒)の日常生活を,学生がより深く知ることを目指し,民衆的なイスラームに関する人類学の研究成果を解説する。主として,聖者,神秘主義,精霊,邪視などを取り上げる。同時に,現代のイスラーム,現代とイスラームをどのように理解するのかという問いに答える視点を論じ,イスラーム原理主義とは異なる現代イスラームの展開のあり方を,宗教消費財や宗教観光の隆盛といった視点からみていく。
目標
教義面に偏ることなく,イスラームを信奉する人々の生活に密着した信仰と実践について学ぶことで,世界の主要な宗教の一つであるイスラームの総体に関する理解を深めるとともに,生活と宗教の関わり,国際社会における宗教の多様性などを了解し,宗教に関する一般的な教養,宗教に関する寛容の姿勢を養う。
授業外の学習
基本的な理解を前提として講義をするので,これについて理解が不足していると自覚する者は,授業中に指示される入門書などを通して自主的に学んでおく必要がある。レポート・論文制作の技法と作法を体系的に学んだことのない学生は,これについても事前に学習しておくことが望ましい。各回授業前には事前配布の資料およびスライドをみて,授業内容の全体像をつかんでおくこと(30分)。講義内容を十全に理解すべく,資料やノート,小テストの結果などを見直し,充分な復習をすることはもちろん,さらに理解を深めるべく,授業中に紹介される参考文献を読むなどすること(160分)。
所要時間: 190分
スケジュール
- 講義のねらいと進め方の解説,参考文献紹介 下記の展開は現時点の予定で,ある程度の変更がありうる。
- イスラームの基礎1:信仰と実践 リアクションペーパは第2回以降に不定期に2回実施する。
- イスラームの基礎2:共同体/文献表作成説明
- イスラームにおける聖者概念1:奇蹟と恩寵 文献表作成課題説明:実施が1回程度前後にずれる場合がある。
- イスラームにおける聖者概念2:崇拝と崇敬
- 聖者と民衆の交わり:取りなし,参詣,聖者祭
- 聖者の末裔たち:預言者一族崇敬他 文献表作成課題講評:実施が1回程度前後にずれる場合がある。
- 聖遺物信仰:モノに託された聖性/書評レポート説明
- 精霊信仰:人ならざる,しかし人的な存在 論文レビュー課題説明:実施が1回程度前後にずれる場合がある。
- 民衆イスラームの理論
- 民衆イスラームの衰退?:近代と宗教 学期末レポート課題説明:実施が1回程度前後にずれる場合がある。
- イスラミック・ツーリズムとイスラミック・グッズ 論文レビュー課題講評:実施が1回程度前後にずれる場合がある。
- イスラーム・ブランドと大衆イスラーム
- 宗教における民衆性
教科書
特定の教科書は使用しない。各回の講義ごとに資料を配付する。
参考書
講義ごとに参考文献を記したハンドアウトを配布する。
イスラームおよびキリスト教における崇敬の人類学:一神教の聖者たち,聖人たち
著者: 赤堀雅幸編
出版社: 上智大学イスラーム研究センター,2022年
民衆のイスラーム : スーフィー・聖者・精霊の世界
著者: 赤堀雅幸編
出版社: 山川出版社,2008年