国際教育開発論2
総合グローバル学部 - 総合グローバル学科(教授言語:日本語)
BGS54401
コース情報
担当教員: 荻巣 崇世
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 火4
形式: 対面授業+オンライン授業(オンデマンド授業,同時双方向型授業(Zoomなど)) /Alternating face-to-face & A
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
授業参加
レポート
その他
毎回の授業前に提出する,課題文献に関するコメントペーパー
詳細情報
概要
本講義では,教育と社会の関係を多角的に捉え,国際教育開発の持つ様々な意味を,理論と実践の両面から考えていく。特に,現代のグローバル化する世界において,教育はどのような課題に直面しているのか,同時に,教育にはどんな役割が期待されているのかを,教育段階別,地域別に,具体的な事例に基づいて検討していく。 本講義は前半・後半の二部構成で展開する。第一部では,幼児教育,初等教育,中等教育,高等教育,ノンフォーマル教育など,教育段階別に,それぞれの役割,課題や可能性について考えていく。また,国際教育開発において,それぞれの段階に対して,なぜ,どのような援助が行われてきたのかについても検討する。 第二部では,「地域」という視座から,各地域における教育開発の特徴や課題を検討する。アジア,アフリカ,南米,中東・・・と地域で世界を分けて「教育」という営みを考えた時,グローバルな共通点はあるのか,地域による差異はなぜ生まれるのか,それぞれの地域に対してどのような援助をしていくべきなのか,などの点について考えたい。参加者の興味関心に基づき,可能な場合には各地域の専門家の話を聞く機会も設ける。
目標
本講義では,知識,批判的思考,コミュニケーション,態度・行動の4つの領域においてそれぞれ以下のような知識とスキルを身につけることを目指す。 知識:教育と社会の関係を多角的に捉え,教育段階や地域などの比較点を活用して国際教育開発の課題や難しさを理解する。 批判的思考:世界が直面している教育課題に関心を持ち,自分自身の経験や身近な現実と結びつけて考えて説明することができる。 コミュニケーション:他者の意見を聞きながら自分のスタンスを明確にし,資料やデータを使って効果的に意見を表明できる(口頭およびレポート)。 態度・行動:授業で扱うトピックについて理解を深めたり,新しい意見や見方を学んだりするため,多様な意見を持つクラスメイトと対話し協力することができる。
授業外の学習
本講義は学生の主体的な学びを中心に進める。そのため,各自が授業前に内容をある程度理解し,自分なりの問いや考えを持って授業に臨むことが欠かせない。特に,対面授業は,それぞれが持ち寄った問いや意見を共有し,受講者同士が学び合う場となるよう,ディスカッションやグループワークを中心に進めていく。 基本的には,毎回の講義に参加する前に指定された文献を読み,簡単なコメントペーパーを講義のグループサイトにアップする。コメントの内容は読んだ文献の筆者への質問や疑問でも良いし,文献の内容を身近な例に引きつけて考えたことでも良く,150字程度にまとめる(所要時間:120分程度)。毎回,重要な問いやコメントを選び講義の中で取り上げて議論する。 学期中,グループ・プロジェクトを課すが,その準備等は授業時間外に行うことになる(所要時間:90分程度)。
所要時間: 190分
スケジュール
- オリエンテーション,シラバスと評価方法の説明(オンデマンドで実施)
- 教育開発の潮流:Education for AllからLearning for Allへ
- 幼児教育と教育開発
- 初等教育と教育開発
- 中等教育と教育開発
- 高等教育と教育開発
- ノンフォーマル教育と教育開発
- 産業技術教育(TVET)と教育開発,第一部の振り返り
- アジアの教育開発:学歴病
- アフリカの教育開発:教育と経済発展
- 南米の教育開発:成人識字教育
- 中東の教育開発:紛争と教育
- 先進国の教育開発:新しい課題
- 教育開発とどう関わるか,全体の振り返り
教科書
各回の課題文献については講義の中で提示するが,以下を本講義の主なテキストとして使用する。
『国際教育開発への挑戦―これからの教育・社会・理論』
著者: 荻巣崇世,橋本憲之,川口純編
出版社: 東信堂・2021年
参考書
国際教育開発論ー理論と実践
著者: 黒田一雄・横関祐見子編
出版社: 有斐閣・2005年