国際経済学1

総合グローバル学部 - 総合グローバル学科(教授言語:日本語)

BGS54000

コース情報

担当教員: 下川 雅嗣

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 火3

形式: 同時双方向型授業(Zoomなど)

レベル: 300

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

リアクションペーパー

30%

定期試験

定期試験期間中

70%

その他

評価要素30%となるリアクションペーパーとは,毎回お願いするリアクションのことではなく,Moodle上「課題」として提示するものである。授業期間中,合計3回程度書いてもらう予定。

0%

詳細情報

概要

グローバル化した経済及びそこから生じる諸問題の本質をより深く把握するための道具として,経済学の基本的考え方及び国際経済の基礎理論を講義する。グローバル経済の理解には,まず市場メカニズムの理解が必要である。次に,現代の貿易を概観し,リカードモデルや他の貿易理論を紹介することによって,貿易の利益,比較優位,労働生産性や生産要素の量と貿易の関係等について講義する。学生は,知識を暗記するのではなく論理的思考に慣れることが強く求められる。経済学の基礎的な学習をしていること(例えば,総合グローバル学部開講の「グローバル化と経済学1」の受講など)が望ましいが初心者でも努力次第では取得可能であるよう,できるだけ丁寧に初歩から教えるつもりである。なお,国際経済学1と2は連続した講義である。

目標

広い視野に立って,現代社会について主体的に考察し,理解を深めることによって,人間の尊厳を大切にする国際社会の有為な形成者として必要な資質を養う。特に,国際経済に関わる政治的議論,新聞等のマスコミの論調においては,経済の基本メカニズムを理解していない議論,経済学的にはおかしな議論が多数見受けられる。国際経済,その中でも貿易や貿易政策に関わる分野でそのような俗説にまどわされず,論理的思考とそれに基づく主体的な判断ができるよう,経済学の基本的考え方や国際経済の基礎理論を身につける。

授業外の学習

復習が重要である。この授業では,論理的思考の表現として,図(グラフ)を多用する予定である。この図示においては,完成した図を写すことや覚えることはあまり意味がなく,メカニズムに沿って自分で正しい順番で図を書けるようになることが重要である。よって,毎回の授業後(動画視聴後)に,忘れないうちに自分でメカニズムを考えながら順番どおりに図を書いていく復習が必要である(100分)。また,質問等が生じた場合にはリアクションペーパーにて質問すること。なお,復習だけではついていけそうにない場合は,Moodle初日の授業項目にアップする詳細なシラバスに指定した教科書や参考書の該当箇所を事前に読んでおくことを勧める(なお,これらの該当箇所は,授業で講義する内容や視点とは必ずしも一致しないが,参考にはなるはずである:60分程度)。なお学期中3回ほど課題を出すのでそれにこたえること(60分)。それ以外に,この毎回の授業はそれぞれ論理的につながっているので,適宜,全体の論理の流れについて,復習してください(30分)。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. ※以下は予定であり,授業の進捗状況により各テーマの回数は変更することがありうる。 経済学の基本的考え方と限界I:市場経済の原理,自発的行動の原則
  2. 経済学の基本的考え方と限界II:合理的選択,貧困,機会費用
  3. 経済学的分析手法:経済モデル,経済変数,グラフによる経済分析
  4. ミクロ経済学の基礎I:消費者理論
  5. ミクロ経済学の基礎Ⅱ:生産者理論
  6. ミクロ経済学の基礎Ⅲ:市場メカニズムと市場均衡
  7. 現代の貿易概観
  8. リカードモデル1:貿易の本質は協力,モデルの説明
  9. リカードモデル2:労働生産性・比較優位・貿易の利益
  10. 貿易の政治経済学の基本的理解:保護貿易の生じる理由
  11. 特殊要素と所得分配
  12. 資源と貿易I:ヘクシャー=オリーン・モデルの説明
  13. 資源と貿易II:ストルバー・サミュエルソン効果とリプチンスキー効果
  14. 資源と貿易III:要素価格均等化定理,貿易と所得分配,モデルの応用

教科書

下記2冊は同じ本(版は異なる)である。ただし,日本語訳は原書を2冊に分割されたものである。この授業で必要なのは,原書の前半部分のみである。

  • クルーグマン国際経済学 理論と政策 〔原書第10版〕上:貿易編

    著者: Krugman, P. R., Obstfeld,M. and Melitz, M.(山形 浩生,守岡 桜 翻訳)

    出版社: 丸善出版・2017

  • International Economics: Theory and Policy, 12th Edition

    著者: Krugman, P. R. , Obstfeld, M. and Melitz, M.

    出版社: Pearson Education Limited, 2022

  • ミクロ経済学の基礎

    著者: 矢野誠

    出版社: 岩波書店・2001

参考書

他の参考文献については初回の授業で紹介する。

  • 国際経済学をつかむ(第2版)

    著者: 石川 城太・菊地 徹・椋 寛

    出版社: 有斐閣・2013

  • 国際経済学入門

    著者: 古沢泰治

    出版社: 新世社・2022

  • 現実からまなぶ国際経済学

    著者: 伊藤萬里・田中鮎夢

    出版社: 有斐閣・2023

© 2025 上智非公式シラバス. All rights reserved.