国際協力論1
総合グローバル学部 - 総合グローバル学科(教授言語:日本語)
BGS53900
コース情報
担当教員: 塩畑 真里子
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 金1
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
授業参加
リアクションペーパー
レポート
小テスト等
詳細情報
概要
年々深刻化する地球温暖化と環境問題について,その課題と世界的な取り組みを主に市民社会組織(CSO)の役割に焦点を当てて学ぶ。CSOは,政府や民間企業とは異なった立場から,国内外様々な問題の解決に取り組んでいる。具体的には,アジェンダの設定,国際機関や政府組織への政策提言,企業キャンペーンなどの活動があるが,特定のデータや情報を活用して,地球市民の便益を最大化させるという観点から,政府や企業へ対して一定の方向性,リソース投入の優先のトレンドをつくる役割を担っている。さらに,CSOは,「監視機関」として政策決定者などに批判的な視点を持つことや政府の政策や企業活動に対して監視する役割も担っている。 今世紀末までの地球の温度上昇を1.5℃以下におさえるというパリ協定が2015年に採択されて以降,気候に関するCSOの活動は世界的に活発になっている。本授業では,国際環境NGOの活動の日本および国際的な具体的事例に触れつつ,政府,企業に加えて,CSOの役割がなぜ重要なのか理解を深めることを目指す。 予習として事前資料を読み,授業日は教員がアップロードする資料を見てリアクションペーパーをMoodleで提出する。フォーラム機能を用いて相互にコメントするなど,アクティブ・ラーニングを取り入れる。週によってはグループワークで実際の事例に関する問題解決方法を話し合い,プレゼンテーションを行う。授業のうち,一部はオンラインとする予定である。
目標
1.気候危機と環境問題の基本的概念を理解し,体系的に説明できるようになる。 2.地球規模課題のアクターやアプローチの違いについて理解する。 3.市民社会組織(CSO)の役割を政府や企業と対比して説明できるようになる。 4.地球規模課題の解決に取り組むCSOの具体的な活動事例を説明できるようになる。 5.自分が生活する地域,関心のある社会問題に取り組むCSOの活動に積極的に参加する。
授業外の学習
予習:翌週の授業の内容として提示されたものに沿って,テキストもしくはMoodleで受け取る資料の該当箇所を読み,内容を把握する。(100分) 復習:講義で使用された参考図書を読んで理解を深め,関連事例を見つけて自ら視野を広げる。(90分)
所要時間: 190分
スケジュール
- 【対面】総論: ①現代の環境問題,気候変動の現状 ②気候変動の概要:二酸化炭素と温度上昇の関係,炭素量と気温の経年変化,エネルギー消費と炭素排出量の経年変化,パリ協定(世界で目指されていること,主要国の目標)など ③環境・気候問題と市民社会組織の役割
- 【対面】日本における環境運動の歴史 グリーンピースについて,活動の変遷,企業キャンペーンとは
- 【対面】国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)を題材にしたロールプレイ
- 【対面】気候危機と環境問題の基本的理解 その1
- 【対面】気候危機と環境問題の基本的理解 その2
- 【対面】ゼロエミッション活動:地方自治体の市民参画による気候変動対応活動のしくみ
- 【対面】ゼロエミッション活動:具体的事例
- 【対面】ゼロエミッション活動:コミュニティ・オーガナイジングの手法について(ストーリーオブマイセルフ)
- 【対面】プラスチック問題: その1 世界の現状と国際条約制定に向けて
- 【対面】プラスチック問題: その2 日本の現状,取り組み,課題
- 【対面】プラスチック問題: その3 解決に向けて私たちができる取組み
- 【対面】気候危機と交通分野:その1 自動車キャンペーンの事例ー交通分野の脱炭素の課題
- 【対面】気候危機と交通分野:その2 自動車キャンペーンの事例ー持続的なモビリティ
- 【対面】総論ワークショップ・討論 環境をテーマにした賛成・反対意見の議論
教科書
クライメイト・リアリティ・プロジェクト・ジャパン編「気候変動を学ぼうー変化の担い手になるために」合同出版 2023年
参考書
授業の内容に関する最近の論文や報告書を使用予定のため,各授業において,案内,指定する。