グローバル化と宗教
総合グローバル学部 - 総合グローバル学科(教授言語:日本語)
BGS50600
コース情報
担当教員: 赤堀 雅幸
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 水4
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
レポート
定期試験
定期試験期間中
小テスト等
その他
各回授業後オンライン小テスト10回(各回5問,評価2%),授業時間中の対面でのリアクションペーパー提出2回(各回5%),関連講演会等参加報告(1,000字程度,10%),指定された関連分野の論文に関するレビュー・レポート(1,000字程度,10%)を課す。学期末定期試験期間中に,記述問題を主とする試験(50%)を実施する。
詳細情報
概要
グローバル化する世界で,宗教は人々の暮らしにどのように関わっているのかを多面的に論じる。近代化に伴い宗教は衰えていくといった,かつての予測が裏切られる一方で,日々にメディアの報道などを通して見聞きするのは,対立や紛争の原因が宗教の違いにあるといった説明である。しかし,「宗教」がグローバル化の阻害要因であるかのようにみなす考え方自体が,宗教が近代的合理主義に適合しないといった旧来の理解の変形に過ぎず,そのような理解に留まっていることが,今まさに変わりつつある世界の実相を理解する妨げになっている。今日的状況における宗教のありようを見つめ直すことで,グローバル化する世界そのものを見渡すのに有効な視点を模索する。各回の授業では,特定の主題の基本の紹介と現代における事例の説明を積み重ねる予定である。
目標
宗教をめぐる今日的な現象について学ぶことで,「宗教」とは何であるかについて理解を深め,自らの信仰あるいは非信仰を相対化して宗教の多様なあり方を認識し,固定的な「宗教」概念にとらわれない姿勢を身に着ける。同時に,グローバル化という現象の理解についても,これを単なる近代合理主義の延長として見るような,単純な理解から離れて,より多元的なグローバル化の様態を捉える。さらに,理論的側面について学ぶだけでなく,実践面においても,様々に異なる宗教を奉じながら同時代を生きる人々と交わるための準備を整える。
授業外の学習
各個の宗教に関する基本的な理解を前提として講義をするので,これについて理解が不足していると自覚する者は,授業中に指示される入門書などを通して自主的に学んでおく必要がある。各回授業前には事前配布の資料およびスライドをみて,授業内容の全体像をつかんでおくこと(30分)。講義内容を十全に理解すべく,資料やノート,小テストの結果などを見直し,充分な復習をすることはもちろん,さらに理解を深めるべく,授業中に紹介される参考文献を読むなどすること(160分)。
所要時間: 190分
スケジュール
- 講義のねらいと進め方の解説,参考文献の紹介 講演会等参加報告課題説明:実施が1回程度前後にずれる場合がある。 下記の展開は現時点の予定で,ある程度の変更がありうる。
- 宗教概念の変遷と拡張 リアクションペーパは第2回以降に不定期に2回実施する。
- 宗教と制度化/グローバル化の始まり
- 言語の性質と宗教との関わり
- 世界を構造化する試み
- 儀礼の構造/日常と非日常の架橋
- 宗教の制度化 論文レビュー課題説明:実施が1回程度前後にずれる場合がある。
- 近代化としての宗教改革
- 政教分離と諸宗教の近代化運動
- 宗教の復権と原理主義の興隆
- スピリチュアリティ(霊性主義)
- 宗教観光と宗教消費財 学期末試験説明:実施が1回程度前後にずれる場合がある。
- オカルティズム,カルト,宗教紛争 論文レビュー課題講評:実施が1回程度前後にずれる場合がある。
- グローバル時代の宗教への視線
教科書
特定の教科書は使用しない。各回の講義ごとに資料を配付する。
参考書
以下の参考書の他,講義ごとに参考文献を記したハンドアウトを配布する。
総合人類学としてのヒト学
著者: 高倉浩樹(編)
出版社: 放送大学教育振興会,2018年