グローバル・ヒストリー

総合グローバル学部 - 総合グローバル学科(教授言語:日本語)

BGS50500

コース情報

担当教員: 櫻田 智恵

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 木3

形式: 対面授業+オンライン授業(オンデマンド授業,同時双方向型授業(Zoomなど)) /Alternating face-to-face & A

レベル: 200

アクティブラーニング: なし

他学部履修:

評価方法

出席状況

10%

リアクションペーパー

40%

レポート

50%

詳細情報

概要

高校の世界史を学んだ時に「戦争とか事件の名前を細かく覚えるのが辛い」とか,「東南アジアとかアフリカとかの歴史が分かりにくい」などと思ったことはありませんか。それは,「世界史」がさまざまな国の一国史を集めたものであったことが大きな要因です。 グローバル・ヒストリーは「つながり」に着目し,その関係性に注目する新しい歴史の見方です。これを知ることで,歴史をより壮大に,けれど身近なものに感じるという不思議な体験ができるはずです。 また,グローバル・ヒストリーはこれまでの研究を活かし,その上で新しい問いを立ててきました。この考え方を学ぶことを通じ,自らも新しい「問いかけ」をつくり,それを追求する姿勢を大切にしていきましょう。 この授業は,大きく2部に別れて構成されています。 第8回までを前半とし,グローバル・ヒストリーという分野の誕生・発展・現状について,その代表的な研究の内容を整理しながら学びます。なお,ここまでの内容についてレポートを課します。 第9回からは後半とし,グローバル・ヒストリーの研究成果として目覚ましい「モノ」に着目した研究をはじめ,プロパガンダや民族問題の研究などを用い,自分達を取り巻く世界について見直していきます。自分達にとっての常識や当たり前が,歴史的にみるとどのように形成されてきたのかについて考察します。 ※第9回目以降の内容は,受講生の関心に応じて変更する場合があります。

目標

1.グローバル・ヒストリーの考え方を学ぶことで,自己と他者の区別や違いを強調するような二項対立的なものの見方から脱却する 2.グローバル・ヒストリーに立脚する研究成果を知ることで,接続や因果関係に着目した新しい歴史の捉え方の面白さを知る 3.歴史を単なる事件史的事象ではなく,民衆や日常生活との関係性から捉え直すことで,歴史の連続性を意識できるようになる

授業外の学習

・各回にリアクションペーパーを書いてもらい,Moodle上で提出してもらいます。授業時間内に書くことができる分量を想定しています。 ・教科書として使用する図書の内容,および第8回までの授業を受け,「グローバル・ヒストリーの課題は何か」というテーマでレポートを提出してもらいます(提出期限は第12回の授業日。1600字程度。Moodle上にて提出。)。 ・参考図書としてあげた文献から,次回の授業に関連する場所をお知らせしますので,該当箇所を事前に読んでくると理解がすすみます。 ・授業中に扱った事例について,ドキュメンタリーなどの映像資料なども積極的に紹介します。それらにも関心を払ってみてください。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. 【対面】オリエンテーション グローバル・ヒストリーのものの見方:「皇帝」「国王」「天皇」は何が違うか
  2. 【対面】「世界史」の歴史(対面)
  3. 【オンデマンド】「国家」とは何か:想像と創出
  4. 【オンライン:ライブ型】歴史はススム?:グローバル・ヒストリーの誕生とその意義
  5. 【オンデマンド】主導する西欧,従属するアジア?:『近代世界システム』と『リオリエント』
  6. 【オンデマンド】西欧とアジアは「違う」のか:『大分岐』
  7. 【オンデマンド】人類の歴史を描く試み:『銃・病原菌・鉄』 と『サピエンス全史
  8. 【対面】グローバル・ヒストリーの特徴(6回までの総まとめ含む) ①これまでの研究の論点整理 ②手法やものの見方の整理 ③レポートについての説明
  9. 【対面】モノをめぐるグローバル・ヒストリー:砂糖,食べ物①
  10. 【対面】モノをめぐるグローバル・ヒストリー:砂糖,食べ物②
  11. 【対面】モノをめぐるグローバル・ヒストリー:綿
  12. 【対面】ナショナルとグローバルのはざま:国家,民族,人種が生み出される時①
  13. 【対面】ナショナルとグローバルのはざま:国家,民族,人種が生み出される時②
  14. 【対面】大衆とグローバル・ヒストリー:潜むプロパガンダ,民衆が生み出す「空気」

教科書

教科書は設けませんが,参考図書のほか,Moodle上でも資料を適宜配布しますので,簡単に目を通しておいてください。

    参考書

    下記2冊を基本的なテキストとして使用します。読んでから参加するとより理解が深まると思います。また,この他にも資料を適宜配布します。

    • 『グローバル・ヒストリー:批判的歴史叙述のために』

      著者: ゼバスティアン・コンラート 著,小田原琳 訳

      出版社: 岩波書店・2021年

    • 『グローバル化と世界史』(シリーズ・グローバルヒストリー①)

      著者: 羽田 正

      出版社: 東京大学出版会・2018年

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