グローバル・スタディーズ基礎演習
総合グローバル学部 - 総合グローバル学科(教授言語:日本語)
BGS10425
コース情報
担当教員: 戸田 美佳子
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 水1
形式: 対面授業
レベル: 100
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 不可
評価方法
授業参加
レポート
その他
リアクション・ペーパーや課題論文のレジュメ,小テストなど:30%。 なお,演習形式の授業のため,出席は成績評価の前提とする。最終レポートの分量は4000字程度,提出期限は1月初めとする。詳細は授業時に伝える。
詳細情報
概要
2年次以降,自らの研究テーマを定めてより主体的に学習・研究を進めていくための事前準備として,基本的な研究手法やそれに必要な技能を実践的に学ぶことを目的とする。クラスは10名程度の小人数からなり,学生同士や教員・学生間の対話に基づく演習形式をとる。春学期の「グローバル・スタディーズ入門」では総合グローバル学部を構成する多様な学問領域の手法や特徴を概観したが,それを踏まえて,基礎演習では,個々の受講生が自らの興味・関心を具体化し,学問的な主題として発展させるための訓練を行う。具体的には以下の作業が求められる。 1)関心があるテーマに対してどのような学問手法を用いるべきかを意識しながら,先行研究をはじめとする関連資料を集める。 2)収集した資料に基づきながら自らの議論を組み立てて授業内で口頭発表し,それに対する他の受講生や教員からの意見や反応を踏まえてさらに議論を練り直す。 3)最終的に,研究成果をレポートにまとめ,提出する。
目標
2年次以降,自主的・自律的に研究を進めるための知的基礎体力を養うことを目標とし,以下の5点の達成を目指す。 (1)「問い」を発する能力 ある事象に対し「どうしてこうなっているのだろう?」という問いを発することが研究の出発点である。演習では,素朴な疑問を学術的なテーマへと発展させることを目指す。 (2)論理的・批判的思考力 どんな言説や主張も何らかの論理(視点,枠組みなど)によって構成されている。先行研究や通説で展開される論理を批判的に読み解き,信頼しうる根拠に基づきつつ自分なりの論理を提示することを目標とする。 (3)共同作業による学びと知識の形成 研究とは,常に外に開かれたものでなければならない。自らの研究成果を他者(他の受講生)と分かち合い,他者との対話の中で修正し,さらに精緻なものとすることを重視する。 (4)信頼性のあるデータの収集 どのようなテーマであれ,研究には論拠となる資料が必要である。図書館などを最大限活用しながら,自らの研究テーマに関わる資料を徹底的に収集し,その信頼性を検証し,利用の方法を考察する。 (5)文献の読み方,論文の書き方 学術論文を読むことで形式や構成に慣れるとともに,自らも担当教員の指導のもとでレポートを作成し,修正を繰り返すなかで学術論文の書き方を体得する。
授業外の学習
演習では,積極的な発言と意見交換が求められる。そのためには各回の授業で取り上げる文献などを事前に読み込んで,自分なりに論点や疑問を整理しておく必要がある。また,各自が関心のあるテーマに関する口頭発表やそれをもとにしたレポートの提出を求められており,そのための準備も授業時間外に着実に進めておき,適宜,担当教員の指導を受けなければならない。さらに,演習の際に行われた議論を授業後に振り返り,そこから自分が学んだ知識や技能を確認してほしい。 各回で設定されている課題に関する事前準備(90分程度) レポートのテーマに関する口頭発表の準備および最終レポート作成(60~90分程度) 授業後の復習を通じた知識・技能の定着(40分程度)
所要時間: 190分
スケジュール
- 導入: 進行予定,教材,グループ編成等。以下の授業計画を目安とし,受講生の習熟度や進捗状況に応じて適宜調整する。
- 情報文献検索
- テーマの発見(1): 例)時事問題や身近な問題を材料として,研究とは何かを考える。新聞雑誌記事や他の文献資料を用いて,複雑な現象や物事を分析する際の視点や研究方法の重要性を理解する。
- テーマの発見(2): 例):受講生が各自の関心のある研究テーマについて口頭報告し,それらについて議論する。
- 研究の構成(1)例):概念枠組み,データ,分析・解釈など,研究の構成要素について学ぶ。
- 研究の構成(2)例):文献,統計,画像,講演,聞き取りなど,様々なタイプのデータとその収集方法について学ぶ。
- 研究の構成(3)例):研究がデータによってどのように裏付けられるかを理解する。
- 研究の構成(4): 例):受講生が各自の関心ある研究テーマについてデータを収集し,それらが論文にどのように使えるか考察する。
- 論文の読み方/議論のマナー(1)例):課題文献等を読み,要約とコメントを作成する。その上で順番にプレゼンテーションを行い,討論を行う。次の2回の授業では異なる分野の論文を取り上げて同様に検討する。
- 論文の読み方/議論のマナー(2)
- 論文の読み方/議論のマナー(3)
- 論文の書き方/議論の深化(1)例):提出された最終レポートを共有し,それぞれのレポートに関する質疑応答を通じて議論を深め,研究の成果を確認するとともに,新たな問いや課題を見つける。
- 論文の書き方/議論の深化(2)例):提出された最終レポートを共有し,それぞれのレポートに関する質疑応答を通じて議論を深め,研究の成果を確認するとともに,新たな問いや課題を見つける。
- 最終レポートに対する修正:教員からのフィードバックをもとに,書き直したものを再度提出する。
教科書
以下のテキストを使用する(春学期「グローバル・スタディーズ入門」と共通テキスト)。その他,必要に応じて教材を配布する。
アカデミック・スキルズ―大学生のための知的技法入門(第3版)
著者: 佐藤望(編著)・湯川武・横山千晶・近藤明彦
出版社: 慶應義塾大学出版会・2020年
参考書
必要に応じて紹介する